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自転車で遠くへ! [スロー旅]

2001年の旅日記を再編して掲載しています。


『自転車で遠くへ!』の巻

今回は、電車じゃないよ、自転車だ!7日間の連休をいただいたので、
自転車で遠くに行くことにしたのです。3日間で行けるところまで行って、
そして帰ってくる、という予定(でも行き先は未定)で、決行ー!

まずは準備から。自転車はビアンキのシクロクロスモデル。
「シクロクロス」というのは、ロードレーサーをダート(未舗装路)でも
走行可能にしたようなヤツで、タイヤも太め(35C)のブロックパターンあり。
ロードレーサーより丈夫そうで自転車旅にはいいかなあと。
そう、そのために大金(20万円弱)はたいて買っちゃいました!
チェレステカラーにやられました!

ということで、自転車の装備。ハンドルバーにヘッドライトを着けて、
フレームのダウンチューブにはインフレーター(携帯用空気入れ)と
ペットボトルホルダー&水を装着、サドルバッグ内にワイヤーロックや携帯工具、
パンク修理キット、スペアチューブ、ヘッドライト用のスペア電池などの小物を収納。

そして、自分が背負うザックには、冊子の全国地図、最小限の着替え、
身のまわり品、ペットボトル水、トレッキングマットなどを入れて、
ちょっと重いかな〜という感じ。あ、使い捨てカメラも。

ウェアは、パッドの入ったレーサーパンツをはいてTシャツ短パン。
グローブを装着、コンタクト目の保護のためにサングラスをして、
ヘルメットは、たぶん似合わないな〜と思い、ナシ!


2001年5月25日(金)、午前10時45分、初日、出発ー!そして行く先決定!
愛知県内の自宅から、とりあえず東京方面へ向かうことにした。

この日は天気もよくて、まさに自転車日和。あまりに気持ちがいいので、
海を見ようと、東京方面への最短ルートである国道1号線から外れて、
渥美半島の付け根あたりの遠州灘方面へ向かった。最初のうちはそんな遠回りを
気にすることもなく、崖っぷちまで入り込んで海を望み、感動〜。
あ〜やっぱり自転車最高ー!とも思え、余裕たっぷりだったのだけれど、
遠回りも度を越すと道がわからなくなり(アホ)、
少し不安になってきたのでまた1号線に戻ることにした。

なんとか国道1号線に合流し、自転車を走らす。本日の前半の見どころは、
やはり海だった。塩見バイパス付近から見えてきた海はデカかった!
思わず写真パチリ。そのまま海岸沿いを行くと、ちらほらとサーファーの姿も見られ。
チクショウ、楽しそうだな…。その後、浜名湖弁天島でも写真をパチリと。

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太平洋はデカいぜよ。

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弁天島の鳥居。

1日目の余裕からか、いい感じのペースで飛ばす〜。
水分は常に自販機やコンビニで摂取しながら(頻繁にのどが乾く!)、
愛知県は蒲郡市、御津町、豊橋市(コンビニ駐車場で昼食)、静岡県に入って湖西市、
新居町、舞阪町、浜松市、豊田町、磐田市、袋井市、掛川市
(スーパーのマック&ケンタで夕食)と、国道1号線をたどってほぼ順調に
進んでいたのだがしかし!掛川市も山の方へ差し掛かった夜道、迷う!
バイパスがクセモノなんだよ、突然、歩行者と自転車を拒否して階段で下に行けとか、
自転車を担ぐことになったりするんだよ〜まったくもう。で、自転車は通れないから、
「迂回しないといけない→迂回してみる→違う方向に行ってしまう!」このパターン!
その後も何回かやらかしています(バカ)。

とにかく、迷った!まいった!夜、山道、カナリ不安…。どうにもならないと思い、
午後9時ごろ、民家で道を聞くことにした。その前に、自転車チェーンが外れるという
トラブルも抱えていたので、その民家の薄明かりでガタゴト直していると、家の中から
「誰かいるのー?」と声が!ヤバっすかさずピンポ〜ン。母と思われる人が出てきた。
「道を教えてほしいんですが…」。すると父と娘も登場、親切にも簡単な地図まで
描いてもらって教えていただけた。そして「がんばって」と…!
まあ、好きでやっているんだけれど、ガンバるよ!

その地図と自分のカンを頼りに、街灯もない真っ暗闇の道を、
不安にかられながらも探り進む。そして、どのくらい経ったんだろうか、
どうにかこうにか、本ルートへ無事脱出することができた〜。

ようやく掛川市を抜け、夜道を走る。金谷町、島田市、藤枝市、そして岡部町へ。
そろそろ泊まるところを探さないとな…。とあるタクシー事務所の車庫の電灯で
地図を見ていると、タクシーが帰ってきてドライバーのオッチャンが降りてきた。
事情を話すと、オッチャンはアメをくれて、この先に「道の駅」という
国道沿いの休憩所があって、そこなら休めるところがあるとを教えてくれた。
ありがと〜オッチャン!

先へ進むと、ほどなく岡部町道の駅なる休憩所に到着した。
売店も24時間やっているらしく、めん類などいただける。
おみやげも売っている(お茶っ葉購入)。もう日付が変わって夜中の1時。
この休憩所で一泊することにした。

その前に、トイレでコンタクトレンズを外す。これが本当に面倒で、
洗面所がないとできないので野宿しづらい。こういった旅の自由を奪う一番の要因で、
もし願いをひとつ叶えてくれるというのなら、「視力をサンコン並みにしてほしい」
と、本気で思う。鏡を見ると、日焼け止めに排気ガスのススが吸着してか顔が黒い。
国道ばかりを走っているとこうなるのか…念入りに顔を洗う。

休憩所とはいっても、固定された小さい丸太のイスがあるだけなので、
そのイス2つにマットを敷いて寝るハメに。もちろん寝心地は悪い。それよりも、
たぶん一日中流れているのであろうBS放映の大音響と、蚊の多さにまいった。
しかも意外と冷える。当然、熟睡なんてできるはずもなく、2〜3時間くらいか、
寝たのか寝ていないのかよくわからないまま、朝になっていった。


売店でそばの朝食セットをいただき、身支度を整える。
26日(土)、午前8時45分ごろ、2日目、出発ー。
快晴で、しかもしばらく下り坂が続いたが、睡眠不足と排気ガスで快適ともいかず。
岡部町を出ると、静岡市。静岡市街を走り抜け、清水市へ。海岸沿いの道路を行くと、
由比町へ出た。国道1号線のバイパスを避けると、旧街道っぽい趣のある細道に入った。
海も見えて素敵な景色だ。ここはウォーキングのコースにもなっているのか、
歩きの観光客らしき人が多く、何やら桜エビが名産で名物らしい。
桜エビか…そそられる〜!けれど、昼食にはまだ時間が早かった。やむなく、
帰り道の際にもし寄っていけるのなら食べようということにして、あきらめた。

由比町をあとにして、蒲原町、そして富士市、市街で電車の線路に阻まれて少し迷うも、
ほぼ順調に沼津市へ。しかし2日目、延々と続くまっすぐな国道1号線…
ここへきて疲れも溜まってきていた。肩が腰が痛い〜。何かイイもんでも食わなきゃあ
やってられないよ!と、奮発!今日の昼食は回転寿司!ヤッター寿司だぁウマイウマイ…
適度にいただき、お勘定。二千円弱ナリ〜。この出費があとあと響くことになろうとは、
このときは思いもしなかった…。

沼津市を抜けると、また清水、清水町。すぐに三島市。徐々に登り坂が多くなってきた。
そう、ついにやって来た、箱根路!標識からはもう、延々と登り坂!しかも急こう配!
最初は「自転車に乗ったままで!」と意気込んでいたけれど、疲れもあってか、
3分の1も進まないうちに自転車を引いて歩いていた。完敗…。
しかもこの日は霧がひどく、上へ行けば行くほど霧は濃くなっていった。
もう、雨に降られているのと同じ状態。視界は数メートル。そんななか延々と、
ひたすら坂を登っていく。靴は自転車のビンディングペダル用のカタいものなので、
かなり歩きづらい。それでも自転車を引いて、登っても登っても登りの坂道を、
歩く、歩く、歩く…。すると、ついに『箱根峠』の標識が!神奈川県箱根町に到達!

しばらく進むと、芦ノ湖畔の温泉街に出た。が、濃い霧で湖など確認もできず、
旅情もへったくれもなくそのまま通り過ぎた。ここからまたさらに登り坂を進み、
『箱根最高標高地点』の標識を越えると、そこからは逆に延々と下り坂!
そう、自転車にとってはパラダイス!地獄のあとの天国、ムチとアメ!ってことかー!
あいにく霧で視界が悪く、あまりスピードは出せなかったけれど、
それでも、ジェットコースターみたいだーこれは!あー楽しい!
シャーッと水しぶきをあげて下り直滑降!でも楽しい下りはあっという間。
これで箱根越えを達成!そしてふもとの温泉街、箱根湯本へたどり着いたのであった。

午後7時半、箱根湯本。ここまで来て、心境の変化が。このまま突き進めば、
3日間で東京まで行けるだろう。だがしかし!行ってどうなるんよ、と。
それよりも、この有名な温泉街で一泊して帰路に着いたほうが、
旅としては正解なんじゃあないのかと思えてきた。体力的にも金銭的にも、
じつはギリギリっぽい。よし、予定変更!ここで一泊&温泉入って、帰る!

そうと決まればさっそく宿案内所へ。安く素泊まりできるところを当たってもらい、
そこで一泊することにした。もちろん温泉付き。自転車も軒下に置けてラッキー。
部屋に入るとベッドが!ゴロン!ぷはぁ〜、カラダ休まる〜。

しばらく部屋で休んだあと、街に出てぶらぶら歩いてみた。しかし温泉街の夜は早い。
みやげもの屋は早々とシャッターを下ろしていく。聞くと朝は8時半には開くらしい。
おみやげは明日の朝見よーっと。そうだ夜ゴハン、飲食店は開いているところは
開いているけれど、金銭的にちょっと厳しい。ということで、今宵のメシはコンビニ食!
昼の回転寿司がボディブローのごとく効き始めていたのであった…。

部屋に戻ると浴衣に着替えて、コンビニ夕食をいただく。テレビを見ながらのんびりと。
そして温泉へ。普段はシャワーだけで湯船には入りもしないのに、1時間ほど浸った〜。
建物最上階(といっても6階)の展望風呂。極楽極楽〜。温泉を満喫したあとは、
部屋で古風にも手紙をしたためたりなんかして、今日はもう寝早めに寝ることにした。
やはり疲れていたのか、すぐに眠ってしまった。


ピピピ…朝、7時半。腕時計のアラームで起きる。テレビの天気予報を見ると、
雨の可能性大。今のところ曇っている状態でまだ雨は降っていないけれど、ヤバいな。
昨日コンビニで買っておいたもので朝食を済ませ、朝の温泉を満喫〜。そして外に出る。
温泉街を歩いていると、雨が!かなり強く降ってきた。ついてないなあと思いつつも、
アーケード街でおみやげを物色し、いくつかを購入。定番だけれど、温泉まんじゅう!

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雨の箱根湯本。あの建物の最上階が入った展望風呂。

宿泊先の出時間は午前10時まで。先にチェックアウトを済ませて、
自転車はもう少し軒下に置かせてもらうことにした。雨がやまないかと、
おみやげ店を見て回る。そうそう、おみやげはいいけれど、行きでの荷物重のつらさと、
帰りの体力のことを考えて、購入したおみやげとトレッキングマットは
宅配で送り返すことにした。これで少しは荷物の負担が和らぐか。
そうこうしているうちに、雨がやんできた!今だとばかりに自転車を出して、
27日(日)、午前10時45分ごろ、3日目、出発ー!

今日は昨日来た道を戻ってゆく。昨日の下りは、今日は登り!またもや箱根越え!
しかし昨日と違う点は、宿泊して多少なりとも体力が回復しているということ。
雨が降ったりやんだりで天気はあまりよくないけれど、
自転車から降りることもなく、スムーズに坂を登り進む。

そんな道すがら、自動車のオッチャンから「がんばれよ〜」との声が。
罰ゲームじゃないんだし、好きでやってるんだけどなぁとは思いながらも、
自然とほほ笑み返し。さらに途中、休憩中の外国人自転車ツーリスト2人組に遭遇!
最初はそのまま通り過ぎたけれど、やっぱり気になって、少し戻って歩み寄り、
写真を撮り合って交流!名前は聞かなかったけれど、カタコトで話したところ、
アメリカのワシントンとニューヨークの人らしい。いい思い出づくりが
できたなあと思いつつ、「じゃあ!」と再び、走り出す。

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撮ってもらいました。

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ワシントンの人と。             ニューヨークの人と。

意外なほど早く、箱根最高標高地点を通過、芦ノ湖畔に到着した。
今日は霧もなく湖が見える。富士山?あれ、見えなかったな〜。
湖を見ながら、コンビニ前で昼食をとる。観光客が遊覧船に乗っていく。いいなあ…。
さあ!行くぞ。さらに登り坂を進むと、さっきまでいた芦ノ湖が一望できた。
もう少し行けばあとは下る一方。あ!『箱根峠』の標識が!峠を越えればこちらのもの。
そこからは延々と、ヤッター!下り坂!!まだ雨は少し降ってはいるものの、
視界はまあ良好。飛ばすーッ!最高ー!!約40分もの間、下りを大満喫〜。

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芦ノ湖。

そして順調に、昨日来た道を戻っていく。とはいっても、無理がたたって節々が痛い。
満身創痍、気力もペースも減。休憩が多くなる。でも自転車で帰るしかないわけで、
三島市、清水町、沼津市、富士市、蒲原町と静岡県内の長い長い道のりをこぎ進み、
由比町までたどり着いた。

ここで!昨日気になった桜エビ再来。一番安いメニューは、桜エビ専門レストランの、
かけそばに桜エビのかき揚げが付いたセット、700円。でも、これを食べてしまうと
明日はもう朝昼夕食と各300円ほどしか使えない。考えに考え、早めの夕食時間では
あったけれど、モチベーション向上も兼ねていただくことにした!桜エビ、んま〜い!
レストランからは海が見えて景色も最高。ザックの泥汚れを拭いたりしつつ、
くつろがせてもらいました。しかし、残金はもうわずか。
昨日の昼食の回転寿司がやっぱり失敗だったなああ効いてきた〜ボディブロ〜。

夕食を終え由比町を出る。清水市、静岡市と進み、昨日の出発地点、岡部町も突破。
島田市を抜け、途中どうしても何か食べたくなって、コンビニでドーナツを買い
さらに残金を減らしてしまうも、金谷町に到達。もう夜中の12時。
そろそろ寝床を確保しなくてはと迷い探した結果、JR金谷駅で一泊することにした。
ここまで来て盗難にあっては悲しいうえに移動手段もなくなってしまうので、
自転車は安全と思えた駅前のタクシー事務所の脇に置かせてもらった。
終電を確認して、駅構内のベンチに横になった。

明日は人が来る前に、始発の5時28分前には起きて出発だ…。眠りに入る。
が、2〜3時間後に目が覚めた。寒い!着替えをすべて重ね着していても、
ベンチで仰向けじゃあ寒くて寝れやしない。少しでも温かい場所へと、
壁の電光広告板にくっついて、地面に駅のパンフレットの紙を敷き詰めて、
丸まって寝る…。それでも寒い!どのくらい経ったのか、ふと気がついたら、
おじさんが毛布を被せてくれていた。えっ?「寒いだろ…向かいの…だよ」。
駅前のタクシー事務所の人だ…!丸まったままの体勢で「ありがとうございます…」。
なんていい人なんだ〜。ありがたく使わせていただく。ベンチに戻り毛布を被って、
毛布の温かさと人の心の温かさを胸に、再び眠りに入った…。


朝、午前5時。やっぱり寒い。吐く息が白い。毛布に包まって、ぼーっとする…
そろそろ時間だ。身支度を済ませて、タクシー事務所に毛布を返す。
居合わせた人にお礼をいうと、持ってきてくれた人と違う人なのか、
事情がわかっていないようだった。自転車も無事でよかった。さあ行くかー。
28日(月)、午前5時45分ごろ、4日目、出発ー。

4日目、疲れはかなり溜まっていた。肩痛、腰痛に加えて右膝痛。おまけに眠い!
朝食をコンビニで済ませて、進もうとするも、ペースは遅い。休憩も多くなり、
自転車を引いて歩くことも。それでもなんとか、金谷町から掛川市への峠を越え、
初日の夜に迷った道もそことはわからず走り抜け、掛川市、袋井市、磐田市、豊田町、
そこから海のほうへ、竜洋町の海洋公園にたどり着き少し気分転換にはなったものの、
浜松市に入ったころには疲れもピークに達し、たまらずコンビニで昼食を買って休憩。
そして新居町、県境のキツい坂道を越え、やっとの思いで、ついに静岡県を突破〜!

とうとう愛知県に戻って来た。お金はもう水を買うくらいしか残っていない。
自転車に乗っては降りて歩き、乗っては降りて歩き、もうヘロヘロになりながらも、
豊橋市を越え御津町、そして蒲郡市へ。ここまで来たら自宅は目前、見慣れた景色、
不思議とペダルを踏む足が軽くなった。あと少し、あと少し…。

そして、午後7時ごろ、無事、自宅帰還〜!あー疲れた〜。というか痛い〜。
慣れないことするもんじゃあないな〜。教訓、長距離ツーリングには多少なりとも
事前にトレーニングが必要です!でも、いい旅だった〜。また機会があったら、
自転車でどこか遠く、行っちゃうぜ〜!懲りないヤツ…(笑)。
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