SSブログ

北九州折りたたみ自転車の旅! [スロー旅]

2004年の旅日記を再編して掲載しています。


『北九州折りたたみ自転車の旅!』の巻

さーあ、また連休取っちゃいましたよ〜スロー旅のはじまりですよ〜。
参加者は自分とKさんの2名、2004年ゴールデンウィーク明けの
5月10日(月)から5日間!今回は満を持して、憧れの彼の地へ行っちゃうよ〜!

その彼の地とは…由布院!魅惑的に響くその地名は、
紛いもなく自分の行きたいところランキングで1、2を争う、素敵であろう温泉地!
そしてそこへたどり着くまでのアプローチは、もちろん寝台列車!
「寝台列車で由布院へ」という、構想3年!?温めていたこの夢計画を、
ついに実行に移すときが来たのであります。

練りに練った計画はこう。前日夜に寝台列車に乗り込んで、
1日目は半前乗りでのんびり由布院を満喫!2日目はここも全国屈指の人気温泉地、
黒川温泉へ!3日目は阿蘇山をめざしまして、4日目は秘湯の一軒宿、壁湯温泉へ!
現地の移動手段は電車と持参の折りたたみ自転車!この地域はどこへ向かうにも、
「やまなみハイウェイ」など山間部の道を行くことになるので、
景色は抜群だと思われます!しかし、距離は短くとも山岳コース。
キツいのは覚悟〜といった感じでもあります。

ということで、前日までに、電車の切符は運賃割引と現地での乗り放題の利く
「周遊きっぷ」を、B寝台券と一緒に買っておいた。宿も人気温泉地ということもあり、
すべて予約を済ませておいた。折りたたみ自転車も点検よし。
荷物は今回からヒップバッグとサドルバッグを導入、汗ビショになりがちな背中を開放!
バッグの中身は最低限の着替えにガイド本、カメラ、身のまわり品、
自転車メンテナンス用品など、いつものとおり旅の持ち物を詰め込んだ。


そして前日、5月9日(日)。この日は普通に仕事があるため、
荷物と折りたたみ自転車を持って、電車で名古屋へ出勤。今日の天気は雨らしい。
明日は九州だけでも晴れるといいなあ。旅に半分足を突っ込んだ心持ちで
テキトーに仕事を終えて、名古屋駅にあるラーメン街で軽く夕食。
時間は余裕があったはずだったのに、売店で駅弁やおやつや飲料を買っているうちに、
あっという間に列車の出発時間が間近!重い荷物を持って駅ホームへと急ぐ。

ホームへの階段を駆け上がると、すぐにやって来た〜寝台特急「富士」!
普段は仕事帰りの電車待ちで、向かいのホームに停まっているこの寝台列車と、
ロビーカーや寝台席の窓際でドリンクを置いてくつろいでいる乗客の姿を見せられて、
うらやましく思っていたあの列車に、ついに乗ります!さっそく指定の席へ。
そして、いつもは見せつけられていた列車内のくつろぎを、
逆に向かいのホームで電車待ちしている帰宅さんたちに見せびらかしたい(笑)!
そう思い、窓際にドリンクをセッティングしているうちに、列車は動き出した。
あっという間に21時36分、出発だー。

tabi79.jpg
名古屋駅にて寝台特急富士。

前回乗った「あさかぜ」同様、今回もB寝台席。富士には同じ料金で
B寝台個室もあるのだけれど、喫煙車両しかなかったので、タバコ臭を避けるために
禁煙のB寝台にしたのです。しかし今回は、「車両の一番後ろの席で」と
指定をしておいたおかげで、向かいが壁の、気兼ねなく大きい荷物を置けたり、
おしゃべりしたりしてくつろげる席を確保できた。しかもやはり乗客はまばら。
席の指定が功を奏したのか、自分たちが乗っている車両にはほかに誰もいなかった。
つまり貸し切り状態。これはいいなあ。これからはこのやり方でいこうっと。

駅弁を食べたり、お茶を飲んだり。ダラッとくつろいでいるうちに、米原駅を通過。
ああそうだ、寝る前にコンタクトレンズを外さないとな。しかし、これが危ないんだよ。
動いているうちは車内の揺れも激しく、レンズを外す、着けるは至難の業。
「そうだ、京都でしよう」!京都駅では少し停車時間があるので、
列車が停まっているうちにコンタクトを外すことにした。京都に到着する間際、
素早く洗面台へ。「あさかぜ」より設備がいいような気がします。
すかさずコンタクト外し!無事完了〜。ついでに歯も磨いて、もう寝るだけ。

さあもう寝ておきますかあ。シーツを敷いて、“JR浴衣”に着替えまして、消灯、就寝〜。
明日は9時47分に大分に着く予定。“遠足前夜症候群”ですぐには眠れないだろうし、
朝になって明るくなったら到着時間よりも早く起きてしまいそうだけれど、
まあ前回の旅での5時台到着を思えば、のんびり寝られます。
明日になったら晴れているといいなあ。


10日(月)。ガタンゴトン…カーテンをめくり窓をのぞくと、もう外は明るく、
朝になっていた。よかった、雨は降っていなさそう。とある駅を通過。
まだ本州を出ていないか、終点よりもずいぶん手前で起床。
でも、しばらくの間は横になって、ぼけーっとする。

車内アナウンス、「下関では○○分停車します、なお、駅売店のご利用は
この駅が最後になります」とのこと。朝食が必要なら下関駅で買っておけということか。
一応、準備はしておこうか。着替え完了。コンタクトも停車中に装着しておかないと。

下関駅に到着。ホームは古びた感じですねえ。平日なので出勤風景も見られます。
のんびりコンタクトを着けて、洗顔歯磨き。あ、時間がないかな、売店行かなくちゃ!
ホームに一歩出てすぐ、車内用のスリッパのままだったことに気がついた!
右往左往しているうちに、もう出発の時間。あはは〜まあしようがない、
昨夜出発前に買っておいたパンでも食べておこう。

ガタンゴトン、ガタンゴトン…いつの間にか、関門海峡は越えたのか。
トンネルもそんなに長くなくて、このトンネルがそうだとはよくわからなかった。
たくさんの駅を通過していく。車窓を流れる駅舎は、なんだか古びたものが多い。
そしてだんだんと、田舎になっていった。古びた駅舎、田舎の路線、いいですよねえ。

中津駅に着く手前、車掌さんが、そろそろですよという感じで席をのぞきに来た。
中津駅に到着、出発。周遊きっぷの関係上、寝台列車の切符は中津駅までの表示で、
ここから先は乗り放題区間なのでゾーン券を使ったほうがいい。
周遊きっぷのゾーン券は、指定区間内で5日間、普通も特急も自由席乗り放題なのです。
これで行き帰り、電車のあるところは電車を使おうというわけで。
車掌さんが再びやって来て、過ぎちゃいましたよといわんばかりにのぞきに来たので、
「こういうきっぷの使い方してるんですよ」と説明したのでした。

さあ、もう少しで別府。別府も大きな温泉地だけれど、今回は通過するのみ。
到着した別府駅はやはり、古びた感じのたたずまい。
温泉街もどこか、昭和の栄華のあとというか、さびれた雰囲気を持っていそうに思う。
由布院と比較すると、ちょっとね。それで今回の旅では通過点となってしまったわけで。
しかし、由布院も昔は「奥別府」としか呼ばれない、日の目を浴びない時代が
あったということらしく、“昭和再発見!”みたいなリバイバルが
起こったりするといいですねえ、別府。

別府駅を出れば、次の駅はもう大分!窓の外、海がキラキラと光り輝いている。
列車がゆっくりとスピードを落としていく。ここも古びた、でも規模の大きな
ホームが見えてきた。9時47分、終点、大分駅に到着〜。
寝台列車の旅はひとまずここで終わり。寝台列車富士は、夕方出発してここから東京へ、
乗客の夢を乗せてまた帰ってゆきます。クッサ〜(笑)。

さてさて、自分たちはここで乗り換え。久大本線の普通列車で由布院まで行くのです!
折りたたまれた自転車の入ったキャリングバッグを肩に食い込ませながらも、
2両編成の小さなディーゼル列車にスムーズに乗り換え完了。
さあ、由布院へ連れてってください!9時55分、出発〜。

ゴーという振動とともに自分たちを乗せて、列車は街を抜け、だんだんと田舎、
山のほうへと進みゆきます。無人の駅に各駅停車。いいなあ単線、田舎の路線。
本数は少ないから不便なんだろうけど。そんなことを思っていると次第に雲行きが、
天気が悪くなってきた。あらら〜雲が多くなってきたな〜、由布岳見えるかな〜。

そして、ついに来た〜、由布院駅に到着!由布院だ〜。天気は曇ったままだけれど、
駅の中に足湯が!構内がアートギャラリー風だ!観光案内所でパンフレットをもらって、
外に出てみる。駅舎もモダンで素敵だ〜。曇っていて由布岳は見えないなあ。
雨が心配されつつも、さっそく折りたたみ自転車を組み上げる。
寝台列車で半前乗りで来たこともあって、午前11時からのんびりと、由布院散策、
自転車でポタリングが楽しめる!そろっとペダルを踏み込んで出発、行きますかあ!

まずは駅前通りをきょろきょろしながら走り進む。駅前にみやげもの屋はあるものの、
あとは飲食店がちらほらと。とりたてて、コレといったところはないですなあ。
そのまま、ガイド本にも載っている「湯の坪街道」へ。平日だけれどこちらは
観光らしい人たちもぽつぽつ見られる。自転車で行ったり来たり。
みやげもの屋、雑貨店、飲食店、などなどたくさん店が並んでいます。

天気は相変わらずの曇り空。由布岳は見えず、あのもやの中か。
時々ぱらぱらと雨も降ったりして、さわやかにポタリング〜というわけにもいかず。
でもまあ、ツーリング中に大雨に降られるような最悪の事態を考えれば、
今日は由布院の街を散策するだけだし、雨もたまにぽつりと降るだけだし、問題なし!

行ったり来たり、湯の坪街道を右往左往。何をしているのかといえば、
飲食店を選んでいるわけで。なかなか、コレといった決め手がない。
それに観光地、ちょっとお値段も高め。いろいろと迷った末に、
素敵な感じのレストランに入ることにした。オムライスとパスタサラダで満足。

少しの間、レストランの駐車場の木陰に自転車を置いて、
湯の坪街道のいろいろな店に入ってみる。ここも観光地だな、観光地にありそうな雑貨、
みやげものは大抵あります。“俗化”している感じが、少し残念に思った。

そして有名な金鱗湖へ。なかなかに素敵な景色だけれど、思っていたよりも小さく、
“湖”というよりは“池”といった感じ。それにこのあたりは観光客も多い。
ここでも少し、残念に思ってしまった。

さて、休憩がてら、喫茶でもたしなみましょうかということで、由布院に来る者ならば
誰しも憧れ、泊まりたいとは思うけれど、金銭面で断念せざるを得ない人も多いのでは?
という名旅館、『亀の井別荘』と『由布院玉の湯』のそれぞれの敷地内にある喫茶店、
『天井桟敷』と『ティールームニコル』をチラ見。泊まれないのならそこの施設を
少しだけでも利用したい!というのが人情ってもんです。けれど、ここすらもちょっと、
自分たちには敷居が高く感じられて、入るのをためらってしまいました。

ええ、自分ら庶民には、湯の坪街道で食べ歩きした味噌こんにゃくや「ぷりんどら」、
コロッケや大分名物だという鳥肉の天ぷら「とり天」で満足です!
それにしても、ぷりんどらはおいしかったなあ。その名のとおり、どら焼きにプリンが
挟んであるという、強引な発想にして何ゆえにこれが由布院銘菓なのか?
といった疑問もふつふつと湧いてくる、たぶん大分あたりの洋菓子メーカーの逸品!

さあ、なんだか手持ちぶさたになってしまいましたよ。
なんとなく、駅前に戻ってみることにした。おみやげを見ても、何かこう、
コレといったものがないですねえ。ちょっと由布院、期待が大き過ぎたせいか、
正直いって「こんなものか」といった感じは否めず。魅力的なショップが
たくさんあるかといえば、そうでもなく、自然がいっぱいかといえば、そうでもなく。
田舎育ちの自分には、ちょっと中途半端に思えた。

ふと駅の横に目をやると、観光辻馬車だ!馬がいて、馬車には何人か乗っている状態。
ひらめいた。馬車のあとをつけよう!しばらくすると、馬車はゆっくりと動き出した。
自分たちもゆっくりと自転車をこいでいく。パッカパッカパッカパッカ…
馬蹄がアスファルトを蹴る音が心地よく響く。それにしてものんびりだ〜。
後ろで詰まっているクルマもおかまいなし。というか、どうしようもないのか。
こちらも自転車でのんびり、風景を愉しむ。道は由布院の街の少し南、
まだ田植え前だけれど、田園地帯へ。だんだんと道は細くなって、
仏山寺の前まで来て馬車はUターンしていった。僕たちはここで馬車とお別れ。
この先に行ったら金鱗湖に出るはず。

そろそろ午後4時。予約してある宿のチェックイン時間でもあるので、
もう宿に向かうことにした。金鱗湖の東側を通り過ぎて、そこそこ交通量の多い
別府湯布院線をまたいで少し坂を上がれば、『別荘今昔庵』に到着。
ここが本日の宿泊場所でございます。

駐車場の木陰に自転車を停めて、チェックイン。この宿、母屋は築120年あまりの
元庄屋の館だったという日本建築で、古びてはいるけれど、ちょっと素敵な感じです。
部屋は一番リーズナブルな和室で、まあこんなものかといったところ。
ほかには洋室や離れの部屋もあるということなので、
うらやましいのはやまやまですが、まあ仕方ないです。

そしてここは由布院温泉。風呂はもちろん温泉で、外に出れば家族露天風呂と内湯が
それぞれ2つずつあり。しかも離れにはそれぞれ露天風呂が付いているらしい。
ここの宿泊人数と風呂数を考えると、あ、部屋数より風呂数のほうが多い。
贅沢なことですなあ。全部貸し切りで使えるので、のんびりゆったり、
気兼ねなく温泉を満喫!立地的に景色はそれほど望めないけれど、
貸し切りというのは、やっぱり贅沢なことです。

部屋に戻って窓辺で夕涼み。風呂上がり浴衣姿で、買っておいたドリンクをグビグビと。
ぷはぁ、うめぇ〜!母屋の2階にあるこの部屋から外を眺めていると、
何人か、お風呂に向かう人が中庭を通る。どうやら自分たちも含めて3、4組は
泊まっていそう。部屋、温泉、今のところそうとも思えないんだけれど、
意外と人気の宿なのかもしれない。部屋数の少なさもあってここだけは
念のため早めに予約しておいた経緯もあったので、まあよかったよかった。
外の調理場からいい匂いが漂ってきた。あ〜、腹減ったな〜。夕食が待ち遠しい。

よっしゃ夕食の時間!前のめりで食事処へ!お品書きを見ると、
メインは「豊後牛の炭火焼き」だけれど、ほかにもいっぱい、いろいろ出てきそう。
しばらくすると、出てきましたよ〜料理の数々!順番に出てくるどの料理も、
おいしかった〜。全体的にダシがおいしい。えびしんじょう最高!
川魚焼き立てでほくほく!炭火焼きも煙モクモク楽しいウマイ!しめはお茶漬け。
デザートは母屋の1階にある喫茶コーナーに移動してアイスクリーム2種、2人で4種!
至福のひととき〜。ということで、時間をかけての夕食、大満喫!
この宿、じつは食事がウリだったのか〜!?この夕食は今までで1位です!大満足!

は〜幸せじゃ〜。部屋でひと休み、ふたたび露天風呂を満喫。午後3時くらいからは
もう雨も降ってきていないし、今夜はちょっと星も見える。明日は晴れそうだな。
テレビの天気予報を気にしつつ早めの就寝へ。明日からは、ついに自転車行程が始まる!


11日(火)。早めに起床。晴れています!今日は一日晴れっぽいな。
あれが由布岳か?由布岳をバックに朝の露天風呂を満喫。着替えて準備も完了、
宿を出て散策へ。早朝、人の少ない街並みを散策したかったのです。
あッ!自転車のサドルに鳥フンが〜!フンガーッ!!

自転車でスイスイと、まずは金鱗湖へ。ああ、静かでいいですなあ。いい空気感。
いいじゃないですか〜金鱗湖。大きな魚が悠々と、小さな魚もすぐ目の前で泳いでいる。
人もほとんどおらず、早起きのジッチャンがカメラをぶら下げて散歩しているくらい。
あ、同じ宿の人発見。やっぱ早朝だな!昼は観光バスで来た人たちががやがやしていて、
興ざめだったからなあ。そりゃあ「神秘的な湖」といわれてもただの池に見えるっての。

tabi81.jpg tabi82.jpg
早朝の金鱗湖。         昨日見たよりいい感じ。

tabi83.jpg tabi84.jpg
湖畔の花なんか撮ってみたり。  自転車越しに(笑)。

そして湯の坪街道のゆるい坂を下り、由布院駅前へ。駅前もまだ人が少ない。
駅舎の前で思わず立ち止まる。あらためて見ても、モダンな建築ですなあ。
振り返れば由布岳がドン!昨日はもやでまったく見えなかったのが、今日はくっきりと。
やっぱり晴れたほうが景色はいい。昨日感じたよりも由布院がいいところに思えた。

tabi85.jpg tabi86.jpg
モダンな由布院駅の外観。    駅前通りの由布岳の姿。

あ〜腹減った腹減った。宿に戻って、待ちに待った朝食の時間。
朝食もおいしかった〜やっぱり和食はダシが決め手だな!
ダシがおいしいといろんな料理がおいしくなります!
夕食も朝食も、この宿は大満足でありました!

さてと、身支度を済ませて午前9時過ぎ、本日の目的地へと向かうため、
早めのチェックアウト。いい宿でした、今昔庵を出る。ここから先、すべて山岳コース!
目的地までの距離は短めに設定してあるつもりだけれど、念には念を、
早めに出発するに越したことはない。それで目的地に早く着いてもそれは喜ばしいこと。
さあ2日目、その目的地とは…黒川温泉!全国屈指の人気温泉地、あの黒川温泉です!
山を越え山を越え(峠を2つ越える)、あこがれの黒川温泉へ、レッツらゴー!!

ここから黒川温泉へ行くには、国道216号線(別府湯布院線)、210号線を経て
11号線(別府一の宮線)と、「やまなみハイウェイ」を行くことになる。
このやまなみハイウェイがまた、前回の「しまなみ海道」もそうだったけれど、
素晴らしく景色のいい道らしく、今回はこの道を自転車で行くこと自体も、
楽しみのひとつであったりもします!

しかしあくまでも山岳コースということで、しばらく走ると、登り坂になってきた〜。
「はぁ、はぁ」、いつ登っても坂はキツい〜。一番軽いギアでシャリシャリと
ペダルを回転させて、地道に登り坂を進む。Kさんはこのコツを掴んだらしく、
前回の旅よりも自転車を降りることが少なくなった。

この登り坂、水分峠までは続くはず。ただただ地道に登り進む。峠越えのときだけは、
天気がいいのが恨めしい。体が熱くなってもう汗だく。かといって雨はもっと嫌いだ。
太陽が隠れているが青空は見られるくらいで、軽く追い風、
自転車で行くならそんな天候がいい。人はわがまま(笑)。

どこからともなく、「ホケキョ」とウグイスの鳴き声が。どこでもそうなのか、
季節にもよるとは思うけれど、標高が上がってくると聞こえてくるよねえ。
歩きや自転車だとそれが実感できて、登り坂でキツいなか、少しだけ和みます。
思わずつられて、「ホケキョ!」、「ケキョケキョケキョケキョ」とシャウト。

ようやくトンネルを抜けて、標高707mの水分峠を通過。
うわぁ、やっぱり山岳コースは景色がいいなあ。まさに“やまなみ”。
山の高みに来てしまえば見晴らしは最高。街中の平たんな道は楽だけれど、
こうはいきません。そして少しの間、下り坂を堪能。サイコー!風が気持ちいいー!
大分県の湯布院町から九重町へ。かと思ったら道はすぐに湯布院町へ。

tabi87.jpg
いい景色が広がって。

そんな気持ちのいい下り坂もすぐに終焉を迎え、予想通り、道はまた登り坂が
多くなっていった。そう、わかってはいるんです、この先やまなみハイウェイ、
展望台のある朝日台まではだらだらと登り坂が続くってことは!

それでも木々の中、気持ちよく自転車を走らせる。しばらく進むと、道の左下に湖か?
池が見えてきた。湖畔にはホテルらしい建物もある。ここで地図を確認。
たぶんこの池が山下池か。このまま道を進めばもうすぐ、また湯布院町から九重町へ。
その先は崩平山を回り込むように、朝日台へと道が続く。

tabi89.jpg
湖畔のホテルなんていいですね。

まあ地図で確認するまでもなく、ほぼ一本道なのでこのまま進めばいいわけで、
自分たちは自転車をこいで、景色を愉しみながら進むのみ。登り坂で汗はかいたけれど、
ギリギリ午前中、12時前には朝日台に到着することができた。
ここまで来たらあと半分といったところか。時間を考えても、特に問題はない。
ここで昼食をと思ったものの、レストランのおすすめメニューが炭火焼きで、
昨夜食べたばかりだったのもあって、ここはパスすることにした。

さすがに展望台があるというだけあって、展望台からでなくとも、
ここからはこの先に広がる道や山を見通すことができた。道はすーっと一本伸びていて、
遠くには山々が連なっている。山からは煙が。火山か!ここから少し坂を下ると、
しばらくは高原のいい道が続くはず。景色も最高だし、いいランチまでがんばるぞー!

少し走り進むと、出たーッ!朝日台すぐ近くの休憩所で、脱力キャラに遭遇!
地方でよく出没する著作権ギリギリキャラだー!その奥のほうには、
「ここで写真撮ってください!」といわんばかりの見晴らしのいい場所もあって、
素敵な記念撮影用ブランコも。もちろん景色も素晴らしく。う〜んやまなみ最高〜。

tabi91.jpg tabi93.jpg
その名も「環境ほごえもん」。  見晴らしいい景色。

しばらく進んだ途中、右折して寄り道までして行ったのに、ガイド本を見て
候補だった飲食店は休み。数少ない周りの店も休みばかり。火曜は休業日なのか〜。
お腹は空いてきたけれど、仕方がないので先をめざす。

このあたりを飯田高原というのか。道はまっすぐ一本道となった。『長者原』の石標。
気持ちいい道だあー。自転車で風を切って走り進む。だんだんと道は右にカーブ、
橋を渡り川を越えると急な登り坂になっていった。左上にホテルらしき建物が。
たぶんあれが九重ハイランドホテルで長者原温泉で、
その先には長者原ビジターセンターがあって、
もうすぐ飲食店にもありつけるかもしれないぞーがんばるぞ〜。

tabi94.jpg tabi95.jpg
まっすぐ一本道。        本当に気持ちのいい道。

道を九重ハイランドホテル近くまで登ってくると、そこにもう休憩所があった。
『長者の茶屋場』。駐車場にはクルマも何台か停まっていて、期待できそうだったので
ここで昼食をとることに決定!午後1時過ぎか、ようやくランチだ〜。
そうそう、由布院でも『名物だんご汁』という看板を目にしたけれど、
ここでいただくことにした。Kさんがだんご汁定食、自分は鳥丼を頼んで、
取っ換えて両方味わう作戦。外の席で待つ。気持ちいい空気感。景色が素晴らしい。
山の斜面を人が歩いている。すぐ横にあった人工の小川にはコイやメダカが泳いでいる。
のどかだなあ。そしてやって来ました〜だんご汁&鳥丼!だんご汁はコレ、
丸い団子が入っているわけではなく、きしめんよりもっとぶっとい感じの、
でも団子の粉で作られたものなんですね。いただきます!うんめ〜!!
汗をかいてきたせいか、ダシの効いたしょっぱいものがとてもおいしく感じられた。
Kさんだんご汁、汁まで飲み干して完食。

さあ、ここから先は登り坂ばかりのはず。なぜなら、自分たちにとっては今日2回目の、
峠越えだから!標高1330mで水分峠よりもキツいであろう、
牧ノ戸峠が立ちはだかっている!しかし、少しの間はまっすぐないい道が続いた。
その先では山が煙を噴いている。久住山。だんだんと近づいてきた。
この時点でまっすぐな道の先だった長者原ビジターセンターを通過。
ここは登山口にもなっているせいか、「長者原自然研究路」を歩いている人も多い。

ここから先だった。だんだんと登り坂がキツくなってきた。完全に、峠越えモード、
山岳アタック。時々木陰の中の自然研究路に入って気分転換を試みるものの、
階段が現れ自転車を担ぐハメに。またすぐ車道に戻る。寒の地獄温泉、星生温泉と通過、
牧ノ戸温泉ホテルあたりに差し掛かると、かなり硫黄臭くなってきた。
Kさんぶっこいたなあ!いや、温泉の匂いだ!

ますます坂はキツくなってくる。しかしこの峠を越えれば、あとはもう下りばかりで
黒川温泉までは時間の問題、ペダルをこぐことなくスイーっと行けるはず!
じりじりと坂道を登り進んで、午後3時過ぎ、ついに牧ノ戸峠に到達〜!
標高1330m!ここも登山口になっていて、それらしき格好の人が多かった。
噴煙を上げている久住山が、すぐ近くに迫っていた。少し登ってみたく思った。

tabi96.jpg
『牧ノ戸峠』の石標にて。

tabi97.jpg
噴煙上がる久住山。

自販機で買った缶ジュースがすぐにカラになった。水分補給完了!黒川温泉に向けて、
下り坂へ突入ー!ここからの下りはすごかった。まああれだけ登ってきたんだから、
それだけ下るのは当たり前か。ちょっとスピードが出すぎてビビる。車輪が振れる。
けっこうなつづら折りの道で、急カーブも多い。フルブレーキでも止まらん〜
ブロンプトンめ〜!気づけばKさんはどんどん先へ。ホイールサイズの違いなのか〜。
どちらも折りたたみの小径自転車だけれど、自分のよりもKさんのビアンキのほうが
タイヤサイズが大きい。その分だけ早く転がっていくんですよね〜言い訳ではなく!

途中、停車できる見晴らしのいいコーナーでKさんは待っていた。
クルマの老夫婦も一緒で、何やら「元気だね〜」みたいなことをいわれたらしい。
老夫婦は「気をつけて」といい去っていった。そう、自転車で峠越えなんかしていると、
通り過ぎたクルマの中で乗っている人たちが振り返ったりして見ていくんですよね。
ものめずらしいのか、大変だと思うのか。

それにしても、牧ノ戸峠下り道、景色がすんばらしい!
はるか下に、これからたどっていくであろう道がうねうねと。
あそこまでまだ下るのか〜ワクワク。行きますぜ〜!風を切ってビュンビュン進む。
あっという間に、地図で確認しておいた右折ポイントまでやって来た。

tabi98.jpg
すんばらしい景色。

この右折で入っていく道、地図で見る限り黒川温泉までの最短ルートのように
思えるのだけれど、実際の道には黒川温泉の標識、案内もない。
でもまぁ、途中のオートキャンプ場『ゴンドーシャロレー』の案内はあるし、
間違いないと思えるので、やはりこの道を行くことにした。

こちらの道も下り坂が続く。地図のとおりにしばらく道を進むと、
『ゴンドーシャロレー』の門が立ちはだかっていた。
なになに、『ここから先は私有地につき、通り抜け禁止』!?
『なお、通り抜けの際には○○百円いただきます』という看板。なななんですと〜!?
チクショーそういうことだったのか〜!だから黒川温泉の標識も何もなかったのか!

しかしここまでやって来て、戻るのはあり得ない。
一休さんの「このはしわたるべからず」のごとく、ちょっと一考、強行突破!
ええい、もし止められれば数百円支払うまでよ!少し不安に思いながら、
それでもスーっと坂道を下っていくと、道の左側にはオートキャンプ場の
事務所らしき建物があり、行く手には低くロープが張ってあった。
あたりには誰もおらず、自分たちは自転車をひょいと持ち上げて、
ロープをまたいでその先へ。あっけなく、進むことができたのだった。
結果オーライ!正規の道ではないけれど、ショートカット成功〜!

通り抜けができないとあって、ここはあまりクルマの通らない道なのか、
整備が行き届いていない様子。アスファルトが少し荒れている。
そういえば、こっちの道へ来て、大分と熊本の県境の標識もなかったな。
でもここはもう熊本県、南小国町のはず。ガタガタガタガタ…と、
荒れ道の坂を自転車で下っていく。すると、黒川温泉にあるの宿の看板が見られ始めた!
よっしゃ〜黒川温泉間近なのか〜!?もうすぐだ〜!まだ温泉街からは
少し離れてはいるものの、宿がぽつぽつと現れ始めた。クルマも少しすれ違う。
まだ明るいうちに、やた、ヤッタ、『黒川温泉』の看板が〜!ほぼ目標通り、午後4時、
黒川温泉に到着〜!うれしい!目的地に早く着くって、メッチャうれしい!!

急な坂を下って橋を渡り、予約しておいた宿、田の原川沿いにある『いこい旅館』へ。
自転車を素敵な電話ボックス横の屋根の下に置かせてもらい、チェックイン。
着いた早々、予約時に少し伝えておいたのもあってか、「自転車ですか」、
「どこからですか」などなど、部屋に案内されてからも、
話のネタに自転車が。まあ、話題に困らないのはいいことか。

ここ『いこい旅館』は、とにかく風呂の数が多い!いろいろ合わせると10種類くらい
あるんじゃないの?!迷ってしまいます。黒川温泉は各旅館のお風呂に入れるという、
入湯手形での立ち寄り湯が有名だけれど、ここだけでいいっす!
とりあえず、露天風呂でも入って汗を流そう。

ところが露天風呂、温泉街の中心地にあるこの宿は、露天風呂が全国の百選とかに
選ばれていることもあってか、外来客も多い!平日なのにけっこうな人の多さ!
日中は静かに入れませんな〜これは〜。そういえば、第一希望だった宿は満室で
予約取れなかったよな〜。さすが人気温泉地といったところなのか。

さあ温泉で汗を流してスッキリしたところで、浴衣に着替えて温泉街を散策。
早く着くとこういうことができるからいいんだよな〜。うむ、これからは、
夜まで走ってちゃあダメだ!目的地でものんびりと、それがスロー旅ってもんでしょー。
さてさて温泉街はといえば、雰囲気を統一しているような街づくりが感じられて、
いい感じ!ガードレールや自販機も極力目立たないように色など配慮されている。
山の中、谷の集落の温泉地といった趣で、いいです!流れる川からは瀬音とともに、
「フョッフョッフョッフョッ…」と、カジカの鳴き声が聞こえてくる。
『天空の城ラピュタ』の飛行船が思い出された(わかる人はわかる)。
散策で、黒川温泉の魅力を実感。と同時に、やっぱり外も、人が多いなあ。
平日でこれなら、土日祝日はどうなっちゃうのか?!

tabi100.jpg
風情のある温泉街の通り。

いこい旅館も、けっこう素敵なたたずまい。囲炉裏やおでんコーナーが
敷地内にあったりして、民芸調の古民家風で和風建築。そして露天風呂。
こういうのに自分たちは弱いのだ。そしてそんな宿ばかりなのですここ黒川温泉は!

tabi101.jpg
素敵なたたずまい。童じゃ、座敷童がおる。

部屋に戻って、間もなく夕食。出た、熊本の名物、馬刺し!好んで食べようとは
思わないけれど、生姜醤油でパクッと、うん、食べられないことはない。
地のものを使った料理で、やっぱり川魚や炭火焼きは出た。おいしゅうございますなあ。

その後は温泉三昧!露天風呂、内湯、入れ替わり立ち替わり、数々のお風呂を満喫!
風呂上がり、炭酸飲料がウマイ!ここは館内の自販機も通常の値段で好感が持てた。
部屋の明かりを消して、窓を開ける。窓から半身を出して涼む。
川や対岸の宿を眺めながら、お茶を飲んだり。川のせせらぎと、
カジカの鳴き声が間近に聞こえてきます。う〜ん、至福のひととき。

温泉で汗を流し、夕食に舌鼓、露天風呂を満喫、ゆっくりと時間を過ごす。
夜は心置きなく眠ることができる。自転車の旅だと、そんな、宿に泊まれば
当たり前のように思えることが、とてもありがたく感じる。自転車や徒歩での自力旅は、
目にするもの、口にするもの、ひとつひとつの事象が、増幅されて感じられると思う。
自分が自転車の旅が好きなのは、自転車が好きで、マゾヒスティックな達成感を
得たいがためではなく、そういったこともあるのです。あと交通費も浮くし(笑)。


11日(水)。早めに起床。男湯と女湯が入れ替わった露天風呂、朝風呂を満喫。
やはり豪華な朝食もいただいて、なんとなーくのんびりとしていると、
あっという間に午前10時近く、チェックアウトの時間。荷物の準備をして、出発だー。

今日の目的地は、阿蘇!阿蘇山です!道は、やまなみハイウェイに戻って、
南下していくことになる。たぶん下りの多い、爽快なツーリングとなるはず。
と思いきや、黒川温泉を出発してからというもの登り坂ばかり。
まあ無理もないか、来たときは黒川温泉までずーっと下りだったからなあ。

登る、登る、けっこう登る。空は晴れ渡っていて、すぐに汗だくになった。
しょっぱなからの登り坂続きで、Kさんは少しダレてきたようだった。
「がんばれー」と声をかける。コツを掴んだかKさん、自転車を降りることは
少なくなったけれど、逆に、なかなか自転車を降りようとはしなかった。
今回はKさんのペースで進むために、自分があとからついていく形になっていたのだけど、
あまりに遅かったりすると、こちらも内装3段のギアではちとキツく、
自転車を降りて歩いてみたりする。すると、歩いている自分のほうが早かったりする。
「歩いたほうが早いし、休みながら進めて体力も温存できるよ」といっても、
頑に自転車に乗ったまま降りようとせずがんばっていた。
ちょっとKさん、意地っ張りなところがあるよなあ。

標高が上がってきたのか、見晴らしがよくなってきた。『瀬ノ本』の交差点、
やまなみハイウェイにここで合流。ここから黒川温泉に向かうのが正規ルートなのか。
さあここからは南下。見るからに、下りのいい道が続いている。

道はさっそく急な下り坂!ヒャッホ〜!!爽快!下りの坂道サイコー!
じつは自分、昨日温泉に入り過ぎて髪も濡れたままでいたせいか、
今日はちょっと風邪の症状があったんだけれど、そんなことも忘れてしまうくらい。
登り坂も時々あるけれど、少しなのでさほど苦にはならない。
見晴らしのいい高原の牧場では牛や馬が草をはんでいて、和む〜。

tabi103.jpg
まさに高原の牧場といった感じ。

ほぼ下り坂ばかりの一本道。南小国町から一の宮町へ。思っていたよりも早く
「城山展望所」に到達した。うわあ、さすがに展望所というだけあって、
すんばらしい眺め!下界を見下ろしているかのよう。一面に広がる田園地帯が、
まるで空を写し出す鏡のように思えた。このあたりが阿蘇山の外輪山となっていて、
標高は600mほど。ここから見える低いところが、火山活動でできたという
世界最大のカルデラというわけか。そりゃあ最大級だよなぁ、
人が住んでいて電車も通って、いくつかの市町村があるんだから。

tabi104.jpg
城山展望所からの景色。

この展望所では、売店はあるものの、水道が通ってないためトイレが有料だという。
こんなところもあるのだね。さあ、先へ進もう。ここからは外輪山のてっぺんから
カルデラの盆地へと、一気に下る!つづら折りの急坂をあっという間に下り切ると、
やまなみハイウェイはここで終わり。もうカルデラの底なのか、平たんな普通の町並み、
交差点のある道となった。ただ、前方には大きな阿蘇山がそびえている。

ふと、ペダルを踏み込む足が気になった。なんだこのペッタリ感は?うぎゃ!
ガム踏んでる〜!!たぶん城山展望所で踏んだのか。道端で靴裏のガム除去に悪戦苦闘。
時間は余裕があるので問題ないけれど、ガムは紙に包んでくずかごへ!
こんな子供でも常識のことを、なんでできない恐らくは大人がいるのか!
阿蘇山を前にして、少し自分がボルケーノ(噴火)気味になりました。

気を取り直して阿蘇山方面へ。町の中の道を進みゆくと、JR豊肥本線の宮地駅に到達。
近くの観光レストランで昼食にした。さてと、今日の目的地は阿蘇というわけで、
阿蘇山といえば、西側にある火口や草千里、米塚といったところが風光明媚なのですが、
今回はそちらには行かず。あまのじゃくな自分は、ちょうど「仙酔狹つつじ祭り」の
期間ということも手伝ったものの、観光地としてはマイナーな東側、
仙酔狭道路で仙酔狹へ、そこから先はロープウェイで火口東をめざすことしていた。
そしてその道の途中にあるペンションを、今日の宿としている。

レストランでの休憩もほどほどに、やはり風邪気味なのか少し気分が重いなか、
仙酔狹をめざす。ここからはさほど遠くはないはずだけれど、阿蘇山、山です。
確実に山道、登り坂。これだけは覚悟せねば。山の上は物価が高いだろうということで、
コンビニで水分補給用にスポーツドリンクを調達。

仙酔狹道路に向けて進んでいく。途中、大型バスが出入りしている、
売店や飲食店のある広い駐車場が。このつつじ祭りの期間は一般車両通行禁止らしく、
ここから仙酔狹まではバスで往復となる。が、こちらは自転車。
この先の仙酔狹道路入口でも、僕たちはすんなり先へと進むことができた。

だんだんと、じりじりと、道は登り坂になってゆく。今日泊まる予定のペンションを
通り過ぎる。まっすぐ、だらだらと続く登り坂。ただ、両側に広がる草原では牛が草を
はんでいたりして、とてもいい景色。自分たちは自転車を降りて引き、
遠足気分で歩いていくことにした。前方から、何人かがグループで、
ジャージ姿で歩いてきた。学校の部活動か、はたまたあちらも遠足か。少し親近感。

さすがに歩きは自転車よりも遅いけれど、歩いていれば着実に進む。道は完全に山道へ。
強い日差しを浴びて汗だくになりながら、阿蘇山のぐねぐね道を登っていく。
まだか、仙酔狹とロープウェイ乗り場はまだなのか。そんななか、
またジャージ姿で徒歩の団体とすれ違う。やはり学校の遠足で来ているのか。
すれ違いざま、「こんにちはー!」と、そういう教育がされているのか、
元気よく挨拶をしてくれるのだけれど、ああいうのって、どう返していいのやら
困りませんか?自分は困ってしまいます。「こんにちは!」と返せばいいのか、
手を振りニコニコ顔で応じればいいのか。結局、ちょっとそちらを向いて、
「どうも」みたいな表情を返すだけなんですが。

振り返ると、景色がいい。かなり高いところまで登ってきたということか。
怪しく思える仏舎利塔を過ぎて、しばらく登るとようやく仙酔狹、
ロープウェイ乗り場に到着!たどり着いたとたん、せき込んでしまった。
最初は風邪のせいかと思ったのだけれど、Kさんもせき込んでいる。
どうやらこれは火山ガスの影響か。硫黄っぽい臭いが立ち込めている。

仙酔狹。ここは5月下旬ごろに咲く「ミヤマキリシマ」というツツジの群生が有名で、
こういったつつじ祭りみたいなイベントもあるわけです。山肌を見ると、
ピンクの花が一面に咲いている。が、ふもとの仙酔狹道路入口でもあった表示通りに、
花は五分咲き程度だった。正直、見た目地味。ちょっと期待外れ。
山の斜面には人がいっぱい歩いている。ここから歩いて上の火口までも
行けたりするのだろう。そんな時間はないので、ロープウェイ乗り場へ。
がしかし!なんと、火山ガスの影響で運行中止〜!?確かにガス臭が立ち込めていて、
風もこちら側に向いているっぽい。しかも空はどんよりと曇り始めてきていた。
くうぅ、自然のことだから仕方ないか〜。少し待ったものの、ガス臭も天候も
好転する気配はなく、逆に今にも雨が落ちてきそうな雲行きになってきたので、
火口はあきらめて、早めに下山することにした。

tabi106.jpg
ツツジは五分咲きでした。

下りはあっという間。急坂をビビりながらもギュンギュン下りて、
遠足のジャージ中学生たちを追い抜いていった。さてと、もう宿にチェックインしよう。
本日の宿泊はペンション。和風旅館での宿泊が続く中、1日くらいは趣向の違った宿に
泊まろうということで、ペンションにしたというわけです。
予約しておいた『オーベルジュ萩嶺』に到着。

平日のせいか地理的な問題なのか、宿泊は自分たちだけだった。玄関のドアを開けると、
“奥さま”みたいな人が迎えてくれた。階段を上がって2階の部屋へと案内される。
部屋にはベッドとテレビ、ユニットバスがある。窓からは少し生活感の漂う裏庭が。
静かだ…ほかにお客がいないとこんなにも静かなのか。静かなのはいいけれど、
なんか寂しい。それに、他人の家に泊まりに来たかのようなこの感覚。
初ペンションの自分、予想はしていたけれど、ペンションって“洋風民宿”ですね。

まだ時間も夕方前。散策がてら、買い出しに行くことにした。
自転車は置いて、歩いていく。宮地駅の方向へ下る。う〜む、店はほとんどないし、
阿蘇山の西側に比べて、こっちは明らかに観光地じゃないな!バス発着地点の売店、
かんぽの宿の売店も寄ってみたものの、目ぼしいものはなく、
結局、宮地駅近くのコンビニまで歩いてきてしまった。

コンビニでドリンクや軽食を買い込んで、来た道を歩いて戻る。空は曇っている。
自分の体調もあまりいいとは思えない。風邪のせいか、若干の疲労感あり。
宿に戻ると、駐車場に停めておいた自転車を念のため屋根付きの
オープンスペースに置かせてもらった。これで雨が降っても安心。

部屋に戻ってベッドにゴロリ。う〜ん、疲労感。あまり動きたくない。
ひと休みしていると、もう夕食の時間。急いでシャワーで汗を流して、
部屋を出て1階のレストランコーナーへと移動。階段を下りる。
なんか、クラシックの音楽が流れている。扉を開けると、やや無表情の奥さまが
「いらっしゃいませ」と迎えてくれた。いくつかテーブルがあるなか、
ぽつんと、お客は自分たちだけ。さみすぃ〜。白熱灯の照明の薄暗さも相まって、
“ホーンテッド・ペンション”…そんな不気味さを覚えた(笑)。

しかし、夕食はボリューム満点でお腹いっぱい。創作洋食のコースといった感じで
一品一品はおいしいのだけれど、ちょっと味が濃かった。うーん惜しい。
これまでまだ見ていないけれど、主人は奥で、シェフ担当のようです。

お風呂を沸かしてくれるというので、それまで部屋で休む。
ベッドで横になってテレビを見ていると、明日の天気予報がやっていた。
どれどれ…「明け方から大雨に注意」だって〜!?あかん、アカンよ、
雨降ったら自転車は使えない!交通手段を失うことに〜。
次の目的地は宿も予約して決めてあるし、う〜む、どうしたものか〜。
考えた結果、大雨なら自転車は折りたたんで、電車で行こうかということになった。

午後9時。風呂はもう沸いたころだろう。その前に、明日の雨をにらんで、
自転車を折りたたんで室内に入れておくことにした。暗いテラスで自転車を折りたたむ。
あ!自分の自転車のチェーンが外れた!なんだよ〜、こんな暗いところで〜。
手を油で汚しながら、チェーンを元に戻す。それでも、折りたたむとまたチェーンが
外れてしまう。なんなんだ〜?!暗い中、自転車に装着してあったヘッドライトで
チェーンまわりを照らして、試行錯誤…。わかった!今朝、瀬ノ本の交差点で、
走行時の異音が気になってテキトーにネジを増し締めした、あれだ!
そのネジを元に戻すと、オッケー、折りたたんでもチェーンは落ちず。
あー解決してよかったよかった。外は闇夜の中、どこかの施設で研修でもしているのか
大声が聞こえてきて、これまた不気味だった。(結局、この旅から帰ってきて、
異音はタイヤが泥よけに擦れていたことが原因で発生していたと判明。)

あ〜あ気を取り直して風呂でも入るかー。脱衣所に入ると、先客がいるようだった。
脱衣カゴにおっさん肌着が!ん??主人だ!間違いなく主人が入っている!
談話室みたいなところで待っていると、風呂上がり肌着スタイルの主人と遭遇。
何ごともなかったかのように「どうぞー」と去っていった。

またまた気を取り直して、ようやく入浴。熱めの湯。主人が熱いのが好きなのだろう。
“イオン風呂”とかあったけれど、脱衣所にその機械の本体があって、
そこからホースみたいなのが引き戸のすき間を通っていって湯船の中に入り、
何やら気泡が出ている。か、家庭用だ…。モチロン脱衣所には洗濯機が
鎮座ましましており、これでもかと生活感を放っていた。

ペンションの“ひとんち”感覚にノックアウト気味の自分たちは、
「きっと、ここの主人は料理が好きで、夫婦でペンションをやるのが夢で、
ここで生活しているのだろう」などと妄想トークを繰り広げ、
明日の天候も気になりつつ、疲労感いっぱいで眠りについた。


12日(木)。朝起きて、窓から外を見ると、雨、ザーザー降りです!大雨!
テレビをつけて天気予報を見ても、午前中はこんな感じらしい。まあ、仕方がない。
逆にここまで悪天候なら自転車走行もあきらめがつくってもんだ。
幸い、ここから駅までは近いので、クルマで送ってもらえるか頼んでみよう。

身支度を済ませて朝食の時間、下の階へ。またクラシックのBGMが流れて
います。また奥さまが「おはようございます」と迎えてくれていた。
朝食もボリューム満点。フルーツがデカい!なんとか完食、ふぅ、ごちそうさまでした。
そして、こちらから切り出す前に「駅までクルマで送りましょうか」という話になって、
ありがたや〜モチロンお願いすることに。

部屋に戻って準備をして、午前9時半には出ることにした。どしゃ降りの雨の中、
門に横付けされた四駆に駆け寄って、クルマの後ろに自転車を2台積んで
後部席に乗り込む。「お願いしまーす」。ドライバーは主人。
クルマは駅へと向かう。途中、仙酔狹へ行くのだろう小型バスがすれ違う。
「ツアーで決まった日取りで動くから、行かないとしようがないんだよね〜」
というような世間話をしつつ、クルマならほんの数分、宮地駅に到着。
「どうもありがとうございましたー」。お礼をいって、ペンションの主人と別れた。
ペンションはなんともいえない雰囲気を放っていたけれど、最終的には、
駅にも近くてクルマで送ってもらえて、よかったなあ。そう、思った。

さあ、ここからは電車でゴー!本来なら自転車で、ここ阿蘇からまっすぐ、
大分県とはいっても熊本県に近い九重町の壁湯温泉まで行くはずだったのだけれど、
あいにくの大雨。電車では大分県の海のほうから回り込むように行くことになる。
豊肥本線、まずはここ宮地駅から豊後竹田駅、そして大分駅へ。
豊後竹田駅からは手持ちの周遊きっぷゾーン券が使えるので、
そこまでの運賃だけで済む。電車で行く計画にすんなり落ち着いたのは、
この乗り放題の切符の存在が大きい。周遊きっぷにしておいてよかった〜。

9時45分着発の列車は大雨の影響か遅れていて、駅で1時間近く待つことになった。
そんななか、ようやくやって来た「九州横断特急2号」。特急とはいっても2両編成で、
ローカル線の雰囲気満載の列車に乗り込む。これで大分までは乗りっぱなし。
やっぱり電車は速いねえ。山の中雨の中、景色は流れ列車はグイグイ進む。

「大分〜大分〜」。午後12時過ぎには大分駅に到着。
なんだ、今は雨がやんでいるじゃないか〜。ここからは由布院方面に向かう
九大本線に乗って行くことになる。この行程も周遊きっぷのゾーン内で、
手持ちの切符だけで行ける。自転車で行くはずだった宿に、
「12時55分発の電車で、14時22分に駅に着きます」と伝え、
電話で最寄り駅までの送迎をお願いしておいた。
それにしても、1本逃したら2〜3時間待ちも当たり前の列車本数が少ない路線で、
うまく電車に乗ることができていて、ラッキーといえばラッキーかな。

出発の時間までまだ余裕があるので、改札を出て大分駅周辺を見ることにした。
売店を物色していると、おいしそうな駅弁があるじゃあないですか。
昼食は列車内で駅弁をいただくことに決定。そしてそして、「ぷりんどら」発見!
由布院で食べて以来、また食べたいと思っていたので思わず購入。宿で食べよーっと。
ドリンクも買い込んで、準備OK。電車に乗り込みまーす。

各駅停車、2両編成の普通列車に乗って12時55分、大分駅を出発。
買っておいた駅弁を愉しみつつ、ガタゴトガタゴト…列車は進む。
窓の外、山の上は薄曇りの空。雨はもう降らないのか。
電車に乗り換えて宿への送迎も確保できていて、雨降ってもいいのになあ。

由布院駅を過ぎて3〜4駅目、宿からの最寄り駅、引治駅に到着。
自転車を担いで電車を降りる。降りたのは、自分たちと、老夫婦の二組だけ。
駅の入口で宿の人が待っていた。あの人たちも宿泊客だったか、
老夫婦もワゴン車に乗っていく。自分たちも自転車を積んで、乗り込んだ。

クルマでスグ、あっという間に宿に到着。壁湯天然洞窟温泉の一軒宿、『旅館福元屋』。
ぱらぱらと雨の降る中、午後3時前にはチェックインすることができた。
じつは本来の自転車で行く予定では、今日は距離的にもかなりの強行軍だったので、
その場合この宿にたどり着くのはもっと遅い時間だったはず。
それがこんなにも早くチェックインできて、宿でのんびりできるし、
むしろ雨が降ってよかったかもしれない。

ここも黒川温泉の宿のような、民芸調の古民家といったたたずまい。
門、玄関、太い梁や黒光りする床、素敵ッス!部屋は広くはないけれど、
自分たちにはこれで十分。フロントでもらってきたこの宿のパンフレットを見ても、
素敵だ!おまけにここ、「日本秘湯を守る会」の会員旅館ということらしい。
そんな会、初耳。会員の宿の一覧を見ると、黒川温泉にも2件、宿が載っていた。
あ〜ここ、予約取れなかったところだよ〜。そしてしかも、会員の宿のスタンプを
10コ集めると会員の宿から好きなところにご招待だって〜!?
地元に近いところはどこかのう、むむ、これは…。

さっそく温泉に繰り出しまーす。「壁湯天然洞窟温泉」ということで、
けっこう歴史があるようで、川を仕切って、そこが川の侵食で洞窟となり、
天然の岩の壁、天井になっているという露天風呂。当然目の前には川が流れ、
雨で増水して濁ってはいるけれど、時々カジカの鳴き声も聞こえてきます。
奥には手を突っ込んでもまだ先がありそうな穴が。ぬるめの湯がホンモノっぽく、
いつまでも入っていられそう。足下の川砂を踏みしめると、小さな気泡が湧いてくる。
あ〜サイコ〜。極楽じゃあ。洞窟の奥の方にすっぽりハマっていると、
さっきの老人と、近所のオッチャンらしき人が、湯船で話しています。
むむ、話の内容から察すると、あのご老人、お金持ちだ!

湯上がりで囲炉裏の間でくつろいでいると、この宿の改装時の写真アルバムを発見。
けっこう最近に改装していて、熱意が感じられた。パンフレットのヘタウマな字も、
たぶん主人の字だ。やるなあここの主人は。そのあとは貸し切り風呂も満喫。
洞窟風呂よりも湯は熱め。木枠の窓を全部開け放って、入ってくる風が気持ちいい〜。
窓の外すぐそばまで、敷地内で飼っているのか、ニワトリが数羽やって来た。
う〜ん、こんなのいいっすね〜。

待ってましたの素敵な食事どころでの夕食も、お米や野菜、こんにゃく、川魚、
素材の味が生きてます!って感じで、とてもおいしゅうございました〜。
この平日なのに、自分たち以外にも宿泊客は4組ほどいるようで、
けっこう人気の宿なのか?確かに、古民家風のたたずまい、あの露天風呂でこの料理、
そんでもって良心的な料金なんすよ。わかる気もする。
主人も気さくでおしゃべり好きな人なのか、各組回って、いろいろ話をしていた。
僕たちのところではやはり自転車が話題に。

夕食後、部屋でのんびりしたあとはまた温泉!冷蔵庫がなかったので
窓の外の屋根の上に置いておいたドリンクを風呂上がりにゴクゴク。
夜のおやつにぷりんどらも満喫。温泉宿でのんびり、サイコ〜。
至福の時間を過ごしつつ、眠りへとついた。


14日(金)。目覚めて浴衣のまま、食事処で朝食を。朝食もおいしくて満足満足。
そのあとはまた温泉、朝風呂に興じる。ぷはぁ、いいですな〜。ここサイコ〜っす!
そんなこんなで、あっという間にもう午前10時、チェックアウトの時間。
フロントでの会計時、秘湯を守る会のスタンプ帳に、この宿のスタンプを
それぞれ捺してもらった。玄関では、あの老夫婦が主人と何か話している。
どうやら連泊のようで、うらやましい限り。

さあ、出発。今日はもう帰るのみ。帰路へと着くのです。さよなら福元屋。
いい宿だったよ、いつかまた来るよ〜。1日ぶりに折りたたみ自転車を組んで、
のんびりと、走り出した。

ここから自転車で、特急列車が停まる久大本線の豊後森駅をめざすことにした自分たちは、
スイスイと登りのない川沿いの道を走っていった。田舎の風景、風が気持ちいい。
けれど、少し寂しい空気感。この旅は、今日で終わりなんだよねえ〜。
道すがら、「メサ」と呼ばれる台地状の形をした、伐株山を確認することができた。

午前11時には豊後森駅に到着。時刻表を見ると、次の普通列車は13時。
けっこう待つことになる。ここでちょっとしたトラブルが。待ち時間はあるけれど、
手持ちの周遊きっぷで乗れる普通列車か、少ししたら来るけれど別途料金がかかる特急
「ゆふいんの森」に乗るかで、Kさんと対立発生。「ここでおいしい店でも探して
昼食とってからのんびり普通電車で帰ればいいじゃん、お金もかからないし」
という自分に対して、Kさんは「待ち時間はいやだ、早く帰りたい」という考え。
あげくに、「自分がお金払うから」とばかりに、勝手に窓口で切符を購入している。
う〜む、勝手な行動は困ってしまうよ〜。ちょっと、言葉が見つからない。
無言で自転車を折りたたむ。電車を待つ。

仕方がない、割り切ってここは「ゆふいんの森」を満喫するしかない!
特急ゆふいんの森は、外観も内装の素敵な、由布院に行き帰りする人なら憧れの列車。
そして12時、向こうから、やって来ましたゆふいんの森!もうこれで行きまーす。
指定席の列車に乗り込む。納得いかないながらも、記念撮影したりなんかして。

tabi108.jpg
特急ゆふいんの森。

そのあとは、大分駅でおみやげを購入、乗り換えて日豊本線の特急列車で小倉へ。
小倉からは新幹線に乗って、Kさんとは言葉少なで微妙なムードではあるものの、
急速に現実へと戻りゆく。あーあ、ほんとにもう、この旅も終わりだなぁ。
また来たいまた行きたい。九州、しかも今回と同じところにまた行きたいっす!
帰りゆく列車の中、そう思った。

そして− 心の中では、早くも次のスロー旅、目的地が決まりつつあった!
「日本秘湯を守る会」を知ってしまったからには、今まで構想にはあったものの
まだ手つかずだったあそこ、会員の宿も複数あるようだし、
「折りたたみ自転車で秘湯の宿めぐり」、行くしかないっしょ〜!
次回、乞うご期待!自分たちがね!!








nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:旅行

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。