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ふたたび!自転車へ遠くへ! [スロー旅]

2002年の旅日記を再編して掲載しています。


『ふたたび!自転車で遠くへ!』の巻

前回の無謀な決行から一年、もう前々から、また行くぞ〜と決め込んで自転車屋に通い、
ウェア類も買っておいたのです。トレーニングはまったくナシのぶっつけ本番!
2002年5月8日(水)からの9日間の連休中に、自転車で遠くへ行くことに決定!
本当に、トレーニングをしていないどころか、その自転車にもロクに乗っていない状態。
それでも前回と比べてアドバンテージがあるとすれば、前回の自転車旅での経験!か?!

連休初日の5月8日(水)、この日は天候も微妙で、出発前の準備に徹することにした。
自転車は前回と同じ、ビアンキのシクロクロスモデル。自分の走行スタイルは、
車道を走ったり歩道を走ったりという感じで、段差を越えることも多いし、
ロードレーサーよりもタイヤが太くて丈夫そうなシクロクロスが
やっぱり合っているのかなあと思えます。ちなみにシクロクロスって、
競技としてはロードのオフシーズンの冬に行われているらしいです。

さてさて、今回の自転車への装備。前回とほぼ同じく、ヘッドライト、
インフレーター(携帯用空気入れ)とペットボトル水を装着、
サドルバッグにはワイヤーロック、携帯工具、パンク修理キット、
ヘッドライト用のスペア電池などの小物が収納してあります。

それからこれ重要、ザックへの荷物。携行品を最小限に抑える。
ザックを背負う以上、荷物が重たいのはそのまま体力の消耗につながると前回痛感した。
地図はリング形式のものを買って必要箇所のみをピックアップ。お金、最小限の着替え、
身のまわり品、あとは使い捨てカメラなどを詰め込み、前回よりも大幅に減量した。

そしてウェア。前回はグローブとパッド入りレーサーパンツを身に着けてはいたものの、
それら以外はTシャツ短パンなど普段着だった。今回は自転車専用を用意!
これまでサイクルウェアはハデ過ぎてちょっと…と思っていたけれど、
やっぱり機能面は捨てがたく、それにハデ過ぎずカッコイイのを見つけたんだよね〜、
「エチュ・オンド」ってスペインのメーカーの。でも相変わらずヘルメットはナシ。
だって似合わないんだもん…。サングラスも似合ってはいないんだろうけれど、
これはコンタクト目の保護のため必要なのです。


5月9日(木)、今日も天候は微妙。しかし決定!今回は大阪方面に向かうことにした。
以前から漠然と、「西へ行くなら3日で尾道」という目標設定もあったりして。
そこまで行けるかどうかはまだわからないけれど、午前9時ちょっと前、自宅を出発ー!

天気は本当に微妙。いつ雨が降ってくるのかというような曇り空。
それでも久しぶりの旅自転車走行で、気持ちイイー!自宅のある町から、
西尾市、岡崎市、そして安城市と進み、JR三河安城駅周辺でさっそく少し迷うも、
知立市へ抜けて国道1号線に出た。今回も1号線をたどって、大阪方面へ向かう。
一番わかりやすくて、何より最短ルートだからな。やむを得ない迂回以外は、
1号線をひたすら走行することになる。しかし、やはり排気ガスがひどく空気は悪い。
これはもう仕方がないことなのか〜。

知立市から刈谷市、境川を越えたら三河から尾張の国に。豊明市を抜けると名古屋市へ。
有名な桶狭間を通り抜けて、JR笠寺駅を過ぎたあたりで、ん?何か音がする…タイヤだ!
後輪、パンクだ〜!!マジすか〜!前回はタイヤのトラブルはまったくなくて、
だから今回はスペアチューブを持ってこなかったのに〜。

今日はもう出直そうかなぁ…とヘコみまくりながらも、修理にかかる。
見ると、タイヤからチューブにかけて、長い針金が刺さっていることがわかった。
国道のヤロ〜…なぜか道が恨めしい。針金はタイヤの繊維に絡んで、
手ではびくともしない。仕方がないので、どこかで工具を借りることにした。

自転車を置いて少し歩くと、『イトウコーヒー』なる店を発見。
コーヒー店といっても喫茶店ではないようで、どうやらコーヒー豆の卸し兼小売り業?
そんなことはどうでもいい、そこで事情を説明して工具を貸してもらえないかと頼むと、
快くペンチなどを貸していただけた。店の駐車場らしいところで修理していいとのこと、
お言葉に甘えて、そこでやらせていただくことにした。

それでも針金はなかなか抜けない。気づいたらもう昼休み時間、
コーヒー店の男手が帰ってきて見てもらったりしながらも、結局、タイヤ部分からは
完全に針金を取除くことはできず、チューブ部分からのみなんとか針金を取り除いた。
チューブにゴムパッチを貼ってパンクの応急処置は施したものの、
針金との悪戦苦闘でタイヤはバースト気味になってしまった〜。

イトウコーヒー店の人にお礼をいって、駐車場で考えた。雨も降りそうだし、
今日は帰ろうか。いや、そのまま突き進もうか。それとも、知っている最寄りの
自転車屋で確実に修理して、それからどうするか考えようか…。
よし!何はともあれ、まずは自転車屋に行くことにした。

出発しようかというその時、コーヒー店のお客なのか、通りすがりの自転車のおばさんに
「どうしたの〜?」と声をかけられた。「パンクしてしまって修理を」と経緯を話すと、
そのおばさんも自分と同じ岡崎方面の出身らしく、「これでお昼でも食べて」と、
なんと千円札を差し出すじゃあないの!最初は丁重にお断りしたけれど、
「岡崎(出身)と聞いたら黙っていられない」と押されて、厳密にいえば自分は
隣町の人間で岡崎出身じゃあないのだけれど、有り難く、ありがたくいただいた。
世の中にはこんないい人がいるのかと、本当にありがたい気持ちでいっぱいになった。

そろそろと自転車に乗り出発すると、すぐにレストランがあったけれどそこはパス。
まずは自転車修理!自転車屋まで行くことに。後輪を気にして気にしつつこぎ進む。
ふと、交差点の信号待ちでパンク箇所のタイヤを見ると、バースト気味のタイヤから、
チューブがぷくっと飛び出してきている!ヤバいな…と思いつつも
自転車を引いて歩こうとした瞬間、パン!とチューブが破裂した!!
ブレーキシューに飛び出したチューブが擦れて、破裂したのだった。またパンクかよ…。
仕方ないので、そこからは自転車を引いて、歩いて自転車屋に向かうことにした。

歩いて歩いて、ようやく自転車屋に到着。店の人に状況を話すと、なんだか冷たい態度。
そんなに顔見知りではないし、わかってはいるけど、少しムカついた。
タイヤはもちろん換えることになった。しかも、今までのタイヤはリムに対して
太すぎるとの指摘。シクロだし、完成車のままなんだけどなあ…。
釈然としないまま前輪後輪ともタイヤとチューブを交換。タイヤは35Cから28Cに細く、
パターンもなくスリックになって、以前よりも舗装路を走りやすそうになった。
パナレーサーの「ツーキニスト」。名前とロゴがダサいけれど、機能面は期待できそう。

自転車屋をあとにして、国道1号線に戻る。時刻はもう午後2時ごろだろうか。
家に帰るべきか、行けるところまで行くべきか。
考えて考えて、とりあえず、行けるところまで前に進むことにした。

でももう、モチベーションは下がりまくっていた。パンク修理にタイヤ交換、
相当のタイムロス。悪化しそうな天候も手伝って、帰る気は満々だった。
しかし前に進むと決めた以上、とりあえず、帰るわけにはいかなかった。
コンビニのイートインで遅めの昼食をとる。サンドウィッチ。オレンジジュースが噴射!
服が汚れる。今日は本当にツいていないな〜。さっさと食事を済ませて、なんとなく、
自転車をこぎ進める。あ、中古車の『スーパージャンボ』だ(わかる人はわかる)。

名古屋市を抜け、蟹江町に至り、佐屋町、十四山村をかすめて弥富町を越えると
愛知県から三重県へ。木曾川、長良川の大橋を越える長島町、そして桑名市、
川越町を抜けると、四日市市に。市街を通り過ぎたころにはもう夕方。
地図で行く先の道を確認すると、国道1号線がバイパスになっているようだった。
自転車を拒否するバイパスの迂回で前回も迷ったわけで、
今回は前もって回避することにした。鈴鹿市街の方に抜けるコースを選択。

しかし!それで迷った…。鈴鹿川を渡るころには夜になり、心配していた雨も
ぱらぱらと降ってきた。夜道で迷うのって、本当に不安なんだよ〜。
なんとか軌道修正をして街に出ると、塾帰りだろう子供に道を聞いたりして、
鈴鹿駅にたどり着いた。これでもう市街を通る道もわかるぞ〜。

鈴鹿市街からは、鈴鹿環状線、54号線を西に直進。鈴鹿サーキットが近いせいか、
宿泊できるシティホテルも点在していたけれど、まだ早いと思いパスした。
そして、国道1号線に戻り亀山市に入ると、さらに雨が降り始めてきた。
雨は好きではない。自分が濡れるのはともかく、ザックが泥で汚れたり、
自転車が濡れるのがいやなのだ〜。そもそも、雨の装備を持ち合わせていない。
午後9時、ちょうどお腹も空いてきたので、雨宿りも兼ねてファミレスに逃げ込んだ。

店内では、自転車乗りの格好は浮いているように思えた。
一応、普通に店に入ってもおかしくないようなデザインを選んだつもりだったのにな〜。
適当に食事を済ませて(カレー、サラダにドリンクバー)、地図でこの先の道を確認。
雨はまだ降っているけれど、泊まるところの確保もしたい。先を急ぐ。

ファミレスを出て少し走り進むと、ラブホテルの広告看板が気になった。
宿泊場所の候補だよな。雨は降っていて、食事は済んでいて、あとは泊まるところだけ。
さらに進むと、国道沿いの、明らかになラブホテルがそこにあった。駐車場は屋根付きで
自転車が雨にさらされないし、隣にはコンビニもある。なかなかいいかもしれない。
時間的にももうここしかないと思えたので、今日はここに泊まることにした。

その名も、『ホテルチャペルココナッツ』。ラブホテルだけあってベッドはダブル!
浴槽も大きくジャグジー完備!モーニングサービスもあって、申し分ないっす!
自転車は屋根付き駐車場に置けて雨も回避できなおかつ盗まれにくいだろうし、
う〜むラブホテルって…じつは自転車旅にはいいんじゃないの〜!
ただ、唯一の問題は、少しむなしい気持ちになることか…。

この日はアクシデント続きで、もう、まいっていた。
知り合いに電話をしたりして気を紛らわし、明日は帰ろうという気にさえなっていた。
だからこそ明日も雨という天気予報が気になりつつ、眠りに入った。


5月10日(木)、朝、起床。窓から外を見ると、やっぱり雨だ…。
天気予報も当然、雨。モーニングサービスの朝食をいただき、
テレビを見ては雨を気にし、窓から外を見ては雨を気にし。
チェックアウト時間は12時までなので、それまでは待てる。
のんびりできるし、いいねえ、チャペルココナッツ。

午後12時。まだ雨は降っている。チェックアウトの時間なので仕方なく出たものの、
駐車場で待てども待てども、一行に雨はやむ気配がない。雨でも走り進もうか…
天気予報も考慮して悩んだ結果、出費やむを得ず、またホテルに戻ることにした。

隣のコンビニで昼食を買い、再びチェックイン。予報では今日は一日中、雨。
つまり、同じこのラブホテルでひとり、もう一泊することになる〜。
しかも、昼にインしたフリ−タイムとは別に、宿泊時間になったらチェックインを
やり直して料金もまたその分かかる。交渉して昼の部屋よりも安い部屋に
変えてもらったけれど、かなり出費が痛い。

夜はまた隣のコンビニで夕食を買ってきて、室内で食事。
昼から夜まで、テレビを見たり、外を見たり、寝たり、ラブホに一日缶詰め状態…。
その代わり、お菓子やドリンク、アロマオイルなどホテルのサービスは
利用できるだけ利用させてもらいました。やっぱり、案外いいよラブホテル(笑)。

明日の天気予報を見てみる。明日は朝から晴れるらしい!出発はできそうだ。
そうだ、帰るのか、行けるところまで行くのか…。風邪なのか排気ガスのせいなのか
ノドがつぶれていたけれど、ここまで来たら(お金をかけてしまったら)
もう行くしかない!先に進むことを、決断した。


5月11日(金)、午前7時、起床。2度目のモーニングサービスの朝食をいただき、
のんびりと身支度を済ませて午前9時、ホテルをチェックアウト。出発〜!
今日は天候もよくてすがすがしい気分。めざすはとりあえず、京都だ!

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お世話になったチャペルココナッツ。

亀山市から関町に入る。しばらく走り進むと、『この先鈴鹿峠』の標識が!
鈴鹿峠か〜。心してかからねばと、気合いを入れて坂道を登り進む。
すると、意外に早く峠のトンネルまでたどり着けてしまった。
前回、悪魔の箱根峠を経験していたせいもあってか、そう思えたのかもしれない。

峠は越えた。トンネルを抜けると滋賀県は甲賀郡、土山町に突入。
そこからは下り坂!自転車にとっては天国!クルマの交通量が案外多いので、
全開とまではいかないけれど、飛ばす!コーッという走行音とともに、
アスファルトの上を自転車は高速で転がってゆく。

坂を下り切り、ここから先はまっすぐ、延々と国道1号線を進む。
土山町から水口町、甲西町、石部町、文にしたらスグだけれど、本当に延々と。
そして、栗東市へ。栗東市といえば、JRA栗東トレーニングセンター!
でも競馬にはあまり興味ないや(笑)。ここまで来ると琵琶湖が目前。
国道を離脱して、草津市に入り湖沿いのさざなみ街道を走ることにした。

さざなみ街道。琵琶湖沿いを走る有料路のような整備された道路で、
自転車道も整っていて、景色も相まってとても気持ちよく走ることができた。
琵琶湖はデカいなあ。釣り人や賑やかなバーベキュー大会を横目に、走り進む。

湖沿いの街道から国道1号線に再合流、大津市へ。大橋を渡り石山を抜け、先を急ぐ。
ほどなくして登り坂が多くなってきた。自然と自販機に手が伸びる。
この峠?山を越えると、ついに京都!ここが意外ときつく、しかも道が狭い。
前方で自転車を引いて歩いているオジサンが邪魔だ。

この坂を登り切ったあたりで、京都は山科区に入る。そろそろお昼。
飲食店が気になりながらも、京都市街に到達するまではと我慢する。
そしてついに、京都の中心地といえなくもない、JR京都駅周辺に到着!
東海道ならこのあたりが終点なのか!?市街では自転車を引いて歩く。
やはり京都、観光客や修学旅行の学生の姿が見られて、旅情をかき立てられた。
もういい加減に昼食をとらないと。自転車をビルの狭間に置いて飲食店を探し、
ポルタ地下街の和食屋で、うなぎご飯に茶そばの定食という、
京都らしい(か?)昼食をいただいた。

さて、これからどうしようか。京都で一泊、折り返して帰路に着こうか。
でも、まだ今日は時間がある。さらに大阪方面へ、行けるところまで行っちゃうか?!
よーし、行くことにした!とりあえず、めざせ大阪!

京都を出発、国道1号線をたどって大阪へ向かう。さすがに大都市、
国道はクルマの交通量も多く、排気ガスも多い。ここからが長く感じられ、
自販機でドリンクを飲む回数も増えた。京都府は久世郡久御山町、八幡市と越え、
大阪府へ。枚方市、寝屋川市、守口市と抜け、地下鉄の駅を見かける。
大阪市に入ったか。そして、ついに大阪は梅田、中心街に。

この時点で夕方過ぎ、まだ行けると判断。これまで自転車で走ってきてわかったこと、
自転車ツーリングは1時間20kmだな。大阪の中心街を通り過ぎ、
新たに目標を神戸に設定。めざせ、神戸は三宮!

大阪の中心からは、国道1号線が2号線に変わる。ここからは国道2号線をたどって、
神戸に向かう。夕日の淀川の大橋を渡り、ひたすら自転車をこぎ進む。

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淀川にかかる大橋からの夕日。

ほどなく兵庫県尼崎市に入るも、神戸はまだまだ先。
クルマの交通量は多いし、だんだんとあたりは暗くなってきて、走りにくい。
途中、一般の自転車乗りやクルマと、こちらの心の中だけで競争になったりする。
かと思えば、ものすごく速いロードレーサーが自分を追い抜いていき、
いや、クルマも追い抜いていき、すっげえ…と競争する気も失せたり。
こんなのを見ると、歩道よりも車道のほうが自転車を走らせやすいと思えてくる。
夜間で段差も見えにくいこともあり、やっぱり歩道は走りにくい。
このあたりから、意識的に車道を走ることが多くなった。

地図で見るとスグなんだけれどな…尼崎市を越え、西宮市、芦屋市、そして神戸市、
知らない道での夜間走行の不安感もあってか、三宮はとても遠くに感じられた。
午後9時前、神戸市街で少し道に迷いかなり不安になりつつも、
やっとの思いで、三宮に到着〜!!

市街は人も多く、自転車では走りにくい。自転車を引いて歩き、すぐに宿泊場所を探す。
なかなか目ぼしいところはない。なんせ自転車持ちだからなあ。
探して探して、ぐったりしてきたところでようやく、自転車が置けるスペースもある、
中心街から少し離れた『ホテルアマリー』というところにたどり着いた。

フロントで自転車のことと、部屋が空いているかを聞こうとしたら、
思うように声が出ない!もう、完全にノドがつぶれていた。なんとか声を絞り出して、
空室があることを確認。宿泊代はちょっと高いけれど、ここに泊まることにした。

部屋に入りベッドに寝転がる。ぐはあああ、疲れた〜。でもやった!神戸だ!
よーし、自分にご褒美。夕食は美味いものでもいただこう。夜の市街に繰り出すと、
金曜日だからか人が多い。飲食店も遅くまでやっているようだ。
風俗店の呼び込みが五月蝿い。有名な洋食店『赤ちゃん』でハヤシライスを食す。
おいしかった〜。そのあと、『四天王ラーメン』をズルズルっといただいて、
なおかつ『菊兆』の明石焼きを持ち帰って部屋でじゅるパクっと。
神戸の味を堪能したのであった〜。

さてと、明日はどうしようか。この先進めないこともないけれど、
ノドも調子が悪いし、何より神戸まで来たというキリのいい達成感もあったので、
ここで折り返して帰路に着くことにした。シャワーを浴びて、ウェアも少し水洗い。
明日の目覚ましアラームをセットして、就寝ー。


5月12日(土)、朝早めに起床。ホテルを出てすぐ、自転車を確認。
ある!よかった〜。そしてまだ観光客のいない北野の街を、おみやげはどうしようかと
思案しながら散策。自転車用のビンディングシューズで歩きづらかったけれど、
定番の風見鶏の館も見て、そして街の小高いところまで登っていく。
神戸市街を一望。少しだけ、神戸の街の雰囲気を楽しめた。

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ホテル脇に停めておいた愛車。        風見鶏の館。風見鶏写ってないじゃん!

店が開き始めたので、おみやげをいくつか購入後、『いすずパン』で朝食を調達。
ホテルに戻ると、何やら結婚式のリハーサルのようなことがなされていて、
自分は場違いに思えた。そそくさと部屋に入る。朝食のパンをいただき、
身支度を整えていると、あっという間にチェックアウト時間の午前11時に。
フロントでおみやげの配送を頼み、ホテルアマリーをあとにした。

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お世話になったホテルアマリー。

さあ、行きますか。帰路、出発!天気は良好すぎて、自転車乗りには暑いくらい。
昨日来た道を戻り進む。腰が痛くなったり、足が張っていたり、
疲れは若干残っているけれど、国道2号線の車道をなかなかどうして軽快に飛ばす。

神戸市を出て、芦屋市を通り抜け、西宮市へ。途中、地図を見てみた。
京都までを視野に入れると、このまま国道2号線〜1号線をたどって行くよりも、
西宮市で2号線から分岐している、国道171号線を行ったほうが最短のように思えた。
クルマの交通量も2号線、1号線に比べれば少ないだろうといった考えもあって、
ここは171号線を進むことにした。

しかし、そう甘くはなかった。171号線も立派な国道、相当の交通量で空気も悪い。
延々と続く、そんな道。それでも、2号線〜1号線と比べればまだよかったかな〜
といったところ。そうとでも思わないとやっていられない。

もうお昼。171号線沿いの途中、昼食はまだまだと粘って粘って、
もういいかと午後2時ごろ、昼食がてら、ファミレスに寄ってしばし休憩。
先を急ぐ。急いでいるわけではないけれど、自転車に乗って走り進むしかないもんなあ。
そんなこんなで、長〜く感じた道のりではあったけれど、それでも思ったよりも早く
京都までたどり着けた。国道1号線沿いの東寺を見上げた。

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国道沿いの東寺。

ここまで来たらあとはもう勢い。山科の峠を越えて、滋賀県へ。
国道1号線、要は来た道を戻ればいいのだけれど、
やっぱりバイパスで自転車が入れないところの回避で、迷うんだよねえ。
栗東市内の1号線から名神高速道路へのインターチェンジあたりからわからなくなり、
住宅地の細い路地に入ってしまったり、いつの間にか進んできた国道を戻っていたり。
結局、正解は歩道とも車道ともとれないような細い急な坂道で、
小さなトンネルをくぐり抜けていく回避路だったりするんだよねえ。
ほんとクルマ優先。なんとかならないのかなあ、国土交通省さんよお。

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山科の峠から滋賀県側の眺め。

バイパス回避後、右手に線路(JR草津線?)を見ながら本ルートを行く。
ちょっと国道から抜けて、というか迷って、また住宅地に入ってしまったり、
この踏切を越えていけば国道に戻れるよなあ、あれ、戻れない。
自動販売機のジュースにつられてとある門前道に入ってみたり、
みちくさが多くなってきた。この症状、つまり疲れているのです。
こんな感じで、石部町、甲西町、水口町と走り進んだ。

とにかく、滋賀県の国道1号線、延々と続くまっすぐ一本道を突き進む。
今どのあたりを走っているのだろうか。あたりは暗くなりもう夜になっていた。
少し肌寒い。そうそう、行き道のときに、このあたりにビジネスホテルのような
宿泊施設があったので、そこで泊まろうかと思っていたのだけれど、
帰り道で見てみるとそこは真っ暗だった。つぶれてんのかよ!
あーあ、今日の宿泊、どうしようかな〜と思いつつ、やむなく通り過ぎた。

途中、マックに寄って軽い夕食。寒かったので体を暖める意味も含めて。
店内で食べればいいのに、なぜか外の駐車場の隅で済ませた。
ひとりで落ち着いて食べたかったのかもしれない。
さあ、そろそろ本気で宿泊のことを考えないといけないし、先を急ごう。

夜道、国道。ひたすら自転車をこぎ進む。サングラス着用もあって夜間は視認性が激減。
歩道のほうが突然の障害物があったりして危ないので、車道の白線を頼りその上を走る。
しかし車道は車道で、後方から迫ってくるクルマに脅かされる。ザックやサドルバッグ、
シューズにも反射生地が付いてはいるけれど、自転車自体には赤く光るテールライトを
装備していない。あのチョッ速のロードレーサーも赤く点滅するテールライトを
着けていたっけなあ。特に、大型トラックなんかがゴーッと轟音をたてて、
横スレスレを通り過ぎていくのは本当に怖い。スリップストリームなのかなんなのか、
引き込まれそうになるんですよね〜。夜間走行にはテールライトがあったほうがいいな。

というわけで、夜の峠道はなおさら危険に思えた。なんとか、鈴鹿峠を越える
手前までには宿泊先を決めたかった。土山町に入っていただろうか、途中、
『国民宿舎関ロッジ→この道入ってスグ』の看板を見て、その道を少し進み確認するも、
そんな気配は感じられず、すぐに国道に戻った。きっと、クルマならスグなんだろうな。
あきらめて国道を進むと、坂道が多くなり街灯も少なくなってきた。
前方が見えず走りづらい。危険に思えたところは自転車を降りて引いて歩いた。

もう鈴鹿峠も間近だろうというあたりで、『国民宿舎かもしか荘』の看板が目に入った。
これには少し期待したけれど、そこまでどのくらいの距離があるのかわからなかったし、
近くの民家で聞いてみることにした。呼び鈴を押すとおじさんが出てきた。
この近くに宿泊できるようなところがあるのか聞くと、やはりかもしか荘は遠く、
それよりは鈴鹿峠を越えたほうがいいということだった。仕方ない、鈴鹿峠を越えるか。

そこからしばらく国道を進むと、坂がきつくなってきた。鈴鹿峠だ。
よーし、気合い入れて行くぞ〜と、一気にダーッと坂を登り切ると、
ちょっと拍子抜け、あとは下り坂だけだった。後方からのクルマを気にして、
念のため歩道を走っていたのでスピードは出せなかったけれど、とにかく楽だった。
ということは、もう三重県の関町に突入。このまま国道を突き進む。

順調に軽い下り坂の夜道を進む。しばらくすると、『道の駅関宿』が見えてきた。
来るときには通り過ぎたこの場所。昔は東海道の宿場だったんだろうなあと思い、
ふらっと寄ってみることにした。が、おみやげなどを売る店はすでに閉まっていて、
食堂が開いているだけだった。そのほか、ここにはシャワー室や仮眠室があるらしく、
トラックの運ちゃん達が出入りしていた。へえ、道の駅にはこんな施設もあるのか〜
と思いつつも、泊まるのはパス、この場をあとにした。

でもどこか泊まるところを決めないといけない。しかしここまで来たらもう保険あり。
この先、ラブホがあるじゃん!その前にコンビニで遅めの夕食を買っておき、
少し進むと、イルカのオブジェがすごいラブホ発見!コンセプトは“海”か?!
駐車場に潜入、料金を確認。思い当たるもうひとつの選択肢と比較してみる。
あっちのほうが安いか。それにいろいろとわかっているから安心だな。
決定!ここはパスして、もうひとつの選択肢、毎度お世話になります、
チャペルココナッツをめざす!

亀山市に入ると、見えてきましたよ〜派手な照明、外観、ホテルチャペルココナッツ!
駐車場に自転車を置いて、イン。フロントに聞くと、あ、空いてないって〜!?
ガックリ。ふてくされてトボトボと出ていくと、呼び止められた。
「もうすぐ空きますよ」。ヨッシャ!しばし待つ。無事チェックイ〜ン!みたび!
部屋でコンビニめしと、サービスのジュース、スナック菓子をいただき、
例のアロマオイル貸し出しにサービスの朝食も注文しておいた。
ジャグジー風呂も堪能、あとは寝るのみ!ラブホテルフル活用で、眠りに入る。


5月13日(日)、朝。設定のアラームが鳴り響き、起きる。
頼んだ時間に朝食が来たので、いただく。3回とも同じだ、BLTサンド。
身支度を済ませて、今日はチェックアウトの時間よりも早く出る。
ああ、チャペルココナッツのポイントカードもらっちゃったよ。
もう使うことはないだろうになぁ。さあ、家に帰るぞ、出発〜!

きつい日差しの中、国道1号線に合流、亀山市を抜け、順調に帰路を進む。
暑い。自販機に手が伸びる。少しスローペースか。それでも鈴鹿市、四日市市、
川越町、桑名市と走り進み、長島町へ。長島といえば、ナガシマスパーランド。
新しい温泉施設も完成して、気になったけれど通り過ぎた。
木曽川、長良川の大橋を越える。いつも思うことだけれど、長い橋を渡るのって
緊張しませんか?ふらついて、柵を越えて川(海)に落ちる妄想が頭をよぎる。

少しビビりながら大橋を渡り切ると、長島町から弥富町へ。そう、愛知県に突入!
帰ってきたなー愛知県〜。何ごともなく、十四山村、佐屋町、蟹江町と突き進む。
途中、クルマは渋滞気味で、その脇をスルスルと優越感に浸りながら走っていると、
ついに戻ってきた、名古屋市へ〜。

名古屋市に入りある程度進んだところで、昼食兼休憩。ファミレスで日替わりランチ。
ドリンクバー付きにした。炭酸飲料ガブ飲み。水分とエネルギー補給完了。
やはり疲れているのか、筋肉疲労あり、腰も痛いし、長めに休憩。

適度に居座り、ファミレスをあとに。相変わらずペースはスロー。
見知った土地でもあるし、あとは来た道を戻るのみ。いろいろなことを思い出しつつ、
名古屋市を抜け、豊明市、刈谷市、知立市と惰性で進む。
安城市に入ってからはさらにスロー。安城市から岡崎市へ。
岡崎市に入れば、もう道もわかっているし、安心感も増す。

そして、見慣れた景色の中、のんびりのんびりと、夕方ごろ自宅に無事、到着〜。
ゴーーール!今回はボロボロじゃなく帰ってこれた〜。疲れもあるが充実感いっぱい。
前半はトラブル続きだったけれど、いい思い出になるっつうもんです。
でも、事前にトレーニングはしておくべきだし、トラブルもないに越したことはない。
しかし今回も、いい旅だった〜。また機会があったら、自転車でどこか遠く、
行っちゃいたいと思います!




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