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奥飛騨秘湯の宿めぐり自転車付き! [スロー旅]

2004年の旅日記を再編して掲載しています。


『奥飛騨秘湯の宿めぐり自転車付き!』の巻

はーい、またまた連休取りまして、スロー旅のはじまりですよ〜。
参加者は毎度おなじみ自分とKさん。2004年10月4日(月)からの5日間で、
今回は前回の予告?にもありましたとおり、若干“スタンプ帳”に取り憑かれ、
そう、奥飛騨へ行きましたとさー!

というわけで、前回の旅で発見した「日本秘湯を守る会」の宿、そしてスタンプ帳。
そこに加盟する宿はことごとく、自分たちの好みのストライクゾーンど真ん中!
に思えまして、しかも「スタンプを10コ集めたら泊まった好きな宿にご招待」って、
そんな特典もあったらもう“秘湯の宿”を選ばずにはいられないでしょう!
そこで、今まで自転車旅の構想にはあったものの、まだ行ったことのなかった
奥飛騨温泉郷に着目。そこにも秘湯の宿が何件かあるということで、
もはや宿本位で、この旅の企画が決定したのであった〜。

しかし、そうはうまくいかず。10月の奥飛騨は紅葉シーズン、考えが甘かった。
平日でも人気宿は予約がとれません!5日間の中で泊まる場所と日にちを変更、
ルートを考え直す。電話予約の問い合わせも粘って粘って、
なんとか4泊のうち3つ、“秘湯の宿”を確保!

そんな感じで計画は進み、電車の切符も購入。名古屋から高山へ行くなら
定番の特急列車「ワイドビューひだ」を差し置いて、「鉄道の日記念きっぷ」で、
前日からの“前乗り”で、普通列車に乗ってゆくぞー!帰りも鈍行!スロートラベル〜!
ちなみに鉄道の日記念きっぷとは、“秋のミニ青春18きっぷ”みたいなものです。
JR鈍行列車1日乗り放題が3回分。18きっぷよりも1回あたりの料金は割高だけれど、
秋は18きっぷが発売されないから、これが代役として使われているようです。

さてさて、今回もモチロン折りたたみ自転車持参っすよ〜。
荷物はいつもの旅の持ち物をヒップバッグとサドルバッグに。準備OK!


連休前日の10月3日(日)は普通に仕事があるため、荷物と折りたたみ自転車を持って
電車で名古屋へ出勤。今回は寝台列車ではないけれど、“前乗り”のワクワク感と、
当日の時間を長く使える利点は捨てがたく、仕事あがりで電車に乗り込んで出発!
岐阜駅で高山本線、高山まで行ける鈍行の最終列車に乗り換えて、のんびりガタゴト、
名古屋駅で急いで買った駅弁をほおばったりしつつ、電車に揺られ運ばれてゆきます。
高山線は渓流沿いを走っていて景色がいいんだけれど、夜なので当然、
外は真っ暗、何も見えず。下呂は街の灯が多かったか。

0時ちょっと過ぎ、JR高山駅着。ここで失敗!18きっぷとか乗り放題の乗車券って、
0時を過ぎちゃうとそこからの運賃が別にかかってしまうんですね!
今このときまで勘違いしていて、1〜2区間の運賃をちょっと損することに。

今日は朝から天気はよくなかったんだけれど、駅から出てもやはりまだ雨が降っている。
この日まで天気予報とにらめっこしながら自転車持参を決定しただけに、
明日からは雨は降らないでほしいところ。
雨天では自転車行程をあきらめざるを得ないんですよねぇ…。

さて、前乗り計画なので、駅前のシティホテルを予約済み。
チェックインしてシャワー浴びて、今日はもう寝るだけ。
明日の朝、雨が上がっていることを願いつつ、眠りにつく。


そして4日(月)。早めに出るつもりだったけれど、なかなかベッドから出られず。
自分にムチ打って身支度整えチェックアウト、旅のはじまりだーっと、外に出てみると、
やっぱり高山、冷えますねぇ。空はどんより曇ってはいるけれど、雨は降ってない。
予報通りなら、今日は雨は降らないはず!ホテルの下のコンビニでおにぎり&豚汁で
朝食を済ませたなら、自転車を組んで、さあ出発だー!

高山は朝から観光の人たちが見られます。朝市があるからねぇ。外国人もちらほら。
「飛騨の小京都」といわれるくらいの古い街並みが魅力的なのでしょう。
時間はすでに午前10時。もっと早く出発するはずだったのになぁ。
高山の観光地は気になりながらも、素通り。国道158号線を東へ、高山市街を抜けて、
今日は奥飛騨上宝村の平湯までの自転車行程。平湯まで行ったら行ったで、
有名な上高地へも行きたいし、宿にもたどり着かないといけないという予定。
出発時間が遅いだけに、そこまでできるのかが早くも心配です…。

158号線は細い道もあれば広い道もあり。高山から平湯へと観光地を結ぶ道なので、
クルマの交通量はそこそこ多い。大型トラックやバスの排気ガスが目に気管支にツライ!
クルマ嫌いだ〜もう。そしてもちろん、どんどん標高の高いほうへと
向かってゆくのですよねぇ〜。地味〜に、登り坂が続く。

高山市から、丹生川村へ。次第に景色は田舎へと移り変わってゆく。
やっぱり田舎道はいいですな〜自転車旅サイコ〜。遠くに見えた手づくり豆腐の店が
気になったり、だんだんと山あいに入れば、道端のどんぐりが気になったり。

そんな道すがら、前方向かいからクルマ、その後ろからバイクが3台、
すごいスピードでクルマを追い抜いて、危ないな〜と思ったら!
バイクが1台クルマに接触!!バイクはバランスを崩して倒れ、
ライダーもろともアスファルトを滑走し、止まった。ライダー起き上がれない。
クルマからはおじさんおばさん夫婦が降りてきて、たぶん救急車を呼んでいる。
これは紛れもなく交通事故、危ないっす!クルマ、怖いっす!

冷たいようだけれど、そのときも今でも、あきらかにバイクのほうが悪いし、
自業自得だと思った。むしろ、たぶん旅の途中であったのだろうクルマの夫婦は
足止めされることになって、いい迷惑でしょう。クルマもバイクも、
ぶつかったら壊れるし人は死傷するんだから、もうちょっと責任持って
運転してくれないとねぇ。もちろんそれは自転車であっても。

う〜む、事故ってコワいな〜。気を取り直して自転車をこぎ進む。
いいかげん、山道っぽくなってきた。坂道もキツさを増してゆく。お腹も減ってきた。
そんななか、喫茶店風の店を発見。当初は平湯でお昼をと考えていたのだけれど、
このあたりだとまだ平湯まで5分の3くらいの地点。少し会議…
「これを逃したら当分飲食店はないかもしれない」、ということで決定〜。
ここで昼食とします!『コーヒーハウスパロット』というこの喫茶店、
名物だというトマトカレーがおいしかった。水もわき水で、よかったです。

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コーヒーハウスパロット。わき水汲めます。

よし、メシも食ったし、もうひとがんばり登り坂を進むぞー。
と、すぐに広い駐車場のドライブインに出くわす。
みやげもの屋もあるし、お昼ここでもよかったな〜と思いつつも、通り過ぎる。

重苦しいペースで坂を登っていくうちに、だんだんと霧っぽくなってきた。
スキー場のレストハウスなどの施設付近に到達したころには、もうかなりの霧深さ。
ちょっと、おもしろくなってきた。「口開けていくと水分補給できる〜アー」って、
若干テンション壊れ気味。

霧の中を進み進み、ようやく、「平湯トンネル」にたどり着いた〜。
長さは2430m、たぶん、長くてつまらないと思う。
最初は、「トンネルはつまらないから旧道登って峠越えしよかー」という計画も
あったけれど、「やっぱりトンネルで山を突き抜けたほうが楽だよなー」と、
時間も余裕がないこともあって、この平湯トンネル前まで来たわけです。

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平湯トンネルに臨む。

さあ、トンネルに、突入〜。トンネル内はつまらないというよりは、つらかった!
道は広くないから、暗い中車道を進むのは危ない。仕方なく歩道を進むのだけれど、
歩道は狭くて、しかも壁から湧き水が出ていたりして水たまりや泥たまりが絶えない。
前方もよく見えないのでスピードは出せない。そんな道が2km以上続くんだから、
とにかくツライという以外にはなかった。ここを帰りも通るのかと思うと、
ちょっと考えてしまうのであった〜。

前方に光、やった、ようやくトンネルを抜けると、上宝村。さ、寒い。上着を着込む。
これで峠は越えた!あとは下り道のみ。まだまだ霧深いけれど、一気に坂を下る!
ひゃー、寒いー!鼻水たれる、手は冷たくなる。でもすぐに平湯に到着〜!

早速、平湯バスターミナルへ。ここからは自転車を折りたたんで、
バスであの上高地へと行く予定だったんだけれど、時間はもう午後3時、
しかも天候も曇っていて、あまりよろしくない。ということで、
バスには乗るけれど途中で降りて、今日泊まる宿にもう入ることにした。

ターミナルで飲み物を買い込み、上高地行きのバスに乗る。
「安房トンネル」を通り抜ける。ここも長ーいトンネルなんだけれど、クルマだとスグ。
ちなみにこの安房トンネル、自転車通行できません。差別だー!
そして、上高地への分岐点である「釜トンネル」の手前、中の湯バス停で降りる。
そう、今日は目的の“秘湯の宿”、『中の湯温泉旅館』に泊まるので〜す。

ここから旅館まではちょっと距離があるので、バス停横の中の湯の売店から
無線で連絡してもらい、お茶とお菓子でまったりしつつ、送迎車を待つ。
そういえばバス停横に、『卜伝の湯』とある小屋があったなぁと思っていると、
湯上がりのじっちゃんが売店に入ってきて、その温泉の話になった。
どうやら、宿から送迎車でここまで来て入るのだそう。あとで来よ〜っと。わくわく。

送迎のワゴン車が来たので、乗り込んで宿へ。宿は安房峠への旧道を登った
中腹にあるのだけれど、登り坂が半端じゃない!もうまさにつづら折り。
当初は上高地までバスで行き、自転車ポタリングを楽しんで、
そこからは中の湯温泉旅館まで自転車でと思っていたので、
やめておいてよかったと、心底思った。

さてと、宿に到着。この中の湯温泉旅館は、例の“日本秘湯を守る会”の宿なんですけど、
見た目も中身も、鉄筋コンクリの近代的な旅館。安房トンネル建設の影響で、
川の付近からこの山の上に移転してきたらしく、さっきの卜伝の湯以外は
あまり秘湯っぽくはないけれど、まあ場所的には秘境かもしれない。
場所柄、登山客が多くて、天気の悪い今日も登山の格好をした人たちが多い。

今日は宿でのんびりと。川沿いの半露天洞窟風呂といった様相の、卜伝の湯も満喫。
宿の贅沢ごはんもおいしくいただいて、明日の天候が気になりつつ、過ごしました。


5日(火)。天気は、ダメだ雨!どうしようかなぁ。天気がよければ早く出て上高地へ、
あるいは自転車で安房峠を越えて今日の目的地へ、と思っていたのだけど、雨じゃなあ。
のんびり朝食をいただいて、のんびりチェックアウト。おおっと、秘湯の宿のスタンプを
押してもらうの忘れそうになった!今回はこれが目的ともいえるのに。

あーあ、雨天じゃ自転車使えませ〜ん。自転車持って、送迎車でバス停へ。
そこから平湯行きのバスを待って、平湯バスターミナルへ。

平湯に到着。みやげものを見たり、ターミナル内でだらだらと過ごす。
パン屋さんでチョコクロワッサンとコーヒーを買って、ベンチに座って作戦会議。
パンを食べながら地図を見る。クロワッサンおいしいな〜、
しかし、う〜む、これは…雨だと八方塞がりになってしまう〜。
しようがない、ちょっと早いけれど、バスでもう今日の宿に、行っちゃいますかー!

その前に、ダラダラしていたらもう11時半、お昼でも食べておこうかということで、
近くのラーメン屋に入る。『奥飛騨宝ラーメン』、ダシが効いててなかなかに
おいしゅうございました。「高山ラーメン」系のなかでも、おいしいほうだと思うよ〜。

さーて、ターミナルに戻って飲み物おやつと買い込んで、
12時半、新穂高温泉行きのバスが来た〜乗りまーす!自転車担いでバスに乗り込む。
宿に向けて出発〜。今日は自転車行程ナシ!また宿でのんびり!怠けものー!

福地温泉を経由して、赤い橋を渡り細い道を抜け、バスに揺られて40分、
深山荘前バス停で降りる。そうです、今日の宿は『深山荘』という旅館。
雨の中自転車を担いで、川にかかるつり橋を小走りで渡る。
午後2時前の早〜いチェックイン。ちなみにここは“秘湯の宿”じゃありませんが、
料金と露天風呂で決めました。このあたりの秘湯の宿は満室で予約が取れず…。

しかしながら、ここはとてもいいところでした!宿の外観も部屋もちょっと山小屋風で、
いかにも「登山客を相手にやってます」みたいな感じで昭和のニオイがするんだけれど、
露天風呂が最高!川沿いにでっかい露天風呂!まさに「野趣溢れる」といった感じで、
目の前に蒲田川、雨で増水して流れが激しかったのでそんなことしなかったけれど、
なんなら川にも入れます!貸し切り露天風呂も広〜い。露天風呂の底をかき混ぜると、
湯の花がまるで卵とじスープのごとく舞い上がる!湯の花ぬりぬり肌スベスベ!
雨はぱらついていたものの、温泉大満喫でした〜。内風呂も桧造りで趣あり。
女の人は、身に付ける水着みたいな素材のやつを貸してくれるので、
混浴露天風呂にも気兼ねなく入れるかな?

食事もおいしく、前日の宿同様、やっぱり川魚に飛騨牛は出ますね〜腹いっぱい。
食事での後ろ隣のオバチャンが「ごはん余ったから食べる〜?遠慮しなくても〜」って
進めてくれたけど、遠慮じゃないですってこちとらおかわりはもうしてますんで、
本当に満腹でいらないっつうの。

ということで、自転車にまったく乗らずして温泉三昧の贅沢三昧で、
ちょっと体がなまり気味。少し風邪っぽい感じもしていたので、
まあちょうどよかったかもなあ。それにしても怠け過ぎだ!


6日(水)。やった、雨降ってない。昨夜にはもう雨は上がっていて、
夜の露天風呂も満喫したんだけれど、今日は天気予報でも晴れマークが出ているほど、
問題なく自転車使えるでしょー!といっても、本日の行程では距離も短く、
あまり自転車をこぐ予定ではありません〜。とはいえ念のため、
午前10時前にはチェックアウト、深山荘をあとにした。

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ここの温泉最高でした。深山荘へかかる吊り橋より。

今日の目的地は、とりあえず「新穂高ロープウェイ」で展望台へ。
深山荘から475号線、川沿いの道を上流方面に進み、自転車でスグ、
新穂高温泉のロープウェイ乗り場に到着。自転車は近くの旅館の裏手、
駐車場の端っこに置いて、上ではきっと値段も高いだろうと売店でドリンクを購入、
しばし待ち時間。平日の午前中でも、けっこう人は多い。
やっぱり10月、紅葉シーズンだからか〜。

来た来た、ロープウェイに乗り込む。前方の座れる位置に着いて、出発ー。
グングン登っていく。支柱のあるところで上がって下がるんだけれど、
その感覚が気持ち悪い。4分ほどで鍋平高原駅に到着。ここまでが第1ロープウェイで、
ここを中継点として、しらかば平駅から第2ロープウェイで終点の西穂高口駅まで行く。
けっこう店もあって、ビジターセンターや温泉施設まである。
ビジターセンターで動物のはく製や昔の人の登山装備を見たりしつつ、
ふらふらと散策したあと、第2ロープウェイに乗るため少し待つ。
上まで行っちゃう前に、平湯バスターミナルにもあった『アルプスのパン屋さん』で
パンを買っておいた。上で食べよーっと。

さあ第2ロープウェイが来た〜今度のロープウェイは2階建て。運よく2階で座れた。
最初のロープウェイよりもさらにグングン登る。なんか、山、ガスってるなぁ。
天気予報は晴れでも、山の天気は変わりやすいというか、下界と違うのかもしれない。
どうも霧っぽく、青空は見えない。下に目を向ければちらほらと紅葉が見られ、
そのたびにオバサンたちの「ワァ」とか軽く歓声が上がる。登山道も見える。
楽だよな〜ロープウェイは〜。でも支柱のところのアップダウンはやっぱり気持ち悪い。
数分で、西穂高口に到着〜。

標高2156m、新穂高温泉駅で標高1117mというから、
1000mは登ってきたわけか。さすがに寒い。上着を着込む。展望所からの眺めは、
それはもう、霧で見えませーん!ガスガスガスガス(バスガス爆発風に)!!
壮大な山岳パノラマ?まったくわかりません!仕方ないので周辺の千石園地を散策。
霧深い〜。まだそれほど紅葉も広がってない。むぅ〜。前回の阿蘇山でも、
確かツツジが五分咲きだったし、あのときは本当に火山ガスでガスっていて
上に行けなかったし、どうも“山運”とでもいうのか、ツいてないなあ。

散策路を歩いていると、登山道入口を発見。横には小屋があって、登山地図や、
登山をする人が記録していく名簿があった。今まで登山の格好をした人たちは
電車の駅とかでも見かけたことはあるけれど、なんとなく、その小屋で、
初めて登山の文化に触れたような気がした。霧に景色を塞がれていたのもあって、
あまり知らない世界に興味がわいた。「ちょっとコレ行ってみようか〜」。
Kさんも賛同。日帰りだし試しに軽く、登山というよりは、
ちょっと行ってみるくらいの気持ちだったから、
名簿に名前を書くまではしなかったけれど、未体験ゾーン、ドキドキした…!

ずんずん登山道を進みゆく。まったくのタウンユースな格好だし、
道が険しくなったら戻ってこようと思っていたのだけれど、障害に感じることなく、
どんどん奥へと入っていった。途中の案内板で、この登山道のとりあえずの目的地が
『西穂山荘』だとわかったので、そこまでは行ってみようということになった。

やっぱりシーズンなのか、けっこう人とすれ違う。みんな、「こんにちは〜」って
挨拶するんですよね〜。これ、初めての体験だったけれど、いいなーと思った。
「もう少しですよ〜」とか、「あとどれくらいですか〜」とか、
知らない人との間で自然に生まれる会話が。

だんだんと道は急に。いつの間にか上着は必要ないくらいに体は温まっていて、
むしろ汗ばんできた。それでも手を使わないと進めないようなところはほとんどなく、
時折見られる紅葉に心も和む〜。そんなこんなで、勢いでとうとう西穂山荘まで来たー!
『レストハウス2385』!標高2385mってことですな。ちょっとした、達成感!

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紅葉登山。           西穂山荘。

山荘にあった登山地図を見ると、次の目標としては独標、そして西穂高岳山頂と
続くのだけれど、お昼もまだ済ませていないし、パンしか持ってないし、
ここで軽く休憩をとったら、もう戻ったほうがいいだろうということになった。
買っておいたパンを外で食べる。おいしいな〜!またチョコクロワッサン。
時々、雲の間からかすかに向こうの山が見える。でも基本的には常にガスってます!

ちょっと寒くなってきた。山荘の中に入ると暖房完備であったか〜い。
山荘ではうどんそばやラーメン、軽食はあるものの、やっぱり高いっすね〜。
あと水が貴重っぽい。物資は下からヘリコプターで運んでくるんだからねぇ。
ヘリポートもあったし。もちろん宿泊もできるけど、外にテント張ってもいいみたい。

さてと、戻りますかー。戻って遅めの昼食だ!登ってきた道を戻る。
登山地図にも表記があるとおり、登りよりも下りの所要時間のほうが短い。
でも、足への負担は下りのほうが大きい。途中、ほんの少し、雲間から青空がのぞいた。
でもほとんどは雲の中。北アルプスのまわりの山々なんて見渡せません!
それでも、色鮮やかな紅葉を目にすれば、心洗われる思い。
「こんちわーす」、「ちわーす」、「ちわー」と、
すれ違う人に挨拶を交わしながら下りゆく。なんか、登山っていいなー。

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雲が多くて山々は見渡せず。   紅葉は鮮やかでした。

西穂高口のロープウェイ乗り場に戻ってきた。こちらも相変わらずの霧の中。
ロープウェイに乗る前に、買う気もないのにみやげものを物色。
オコジョのしっぽがふあふあだあ!ロープウェイに乗ってしまえば、
スイスイと下界へと降りてゆく。鍋平高原では、なんだか割高に思えて昼食をパス。
人でいっぱいだったので足湯もパス。すぐに次のロープウェイに乗って、新穂高温泉へ。

もう午後3時前。なんだか本格的な昼食はいらないやという気分になってきて、
軽食でつなぐことにした。売店の脇にある足湯に浸かりながら、温泉卵をほおばる。
足乾かして、自転車乗って、村営駐車場の売店でカップ麺のうどんと飲み物も買って、
もう今日泊まる宿へと向かう!

天気は山とは違って日が差している。川沿いのゆるい下り道を、
自転車で気持ちよく行きまして、橋の手前、中尾高原口バス停のところで
左の登り坂へと入る。きつ〜い坂道を登り切るとすぐ、あったあった、
“秘湯の宿”の『谷旅館』に到着〜。今日はここに宿泊です。
部屋に入ってスグ、カップうどんを食べた(笑)。

ここは、なんだか豪華な“人んち”みたいな感じでした。でも決して民宿っぽくはなくて、
建物も新しいし、部屋もすっきりこぎれい。そして広い庭園に露天風呂があるみたいな。
今風に貸し切り露天風呂もあり。料理も凝っていて、洋風のものも取り入れたりして。
どうしても地域内での連泊旅の場合、この地方の名物など似通った料理が出ることが
多くなってしまうのですが、ここの料理はちょっとしたアクセントになったと思う〜。
ただ、新しいタオル借りるのに料金があったりして、そういうのは少し気になった。

夜には露天風呂から星が眺められたりして、さすが田舎だ、いい感じ。
天気予報を見ると明日も晴れそうなので、初日に頓挫した計画、上高地行きを再考!


7日(木)。晴れてます!山々も見渡せる!スタンプもらって早めにチェックアウト。
あ、ここのスタンプパソコンのプリントだ〜。しかも2人とも違うデザイン。
今風〜。そんじゃ、とりあえず平湯に向けて、出発〜。

急坂を一気に下りて、蒲田川沿いの道を下ってゆく。午前中は少し冷たく感じるけれど、
自転車で風を切って進むのは気持ちいい。栃尾温泉を通り過ぎて、目立つ赤い橋
「宝橋」を渡るとだんだんと登り坂。キツイ。新平湯温泉を通過。キツイ〜。
暑い。汗だくだー。山あり谷ありこの地方、ちょっと自転車向かないかも〜。

なんとか午前中には平湯に到着。よし、晴れてるし、バスで上高地行くぞー。
自転車は、バスターミナルの端に置かせてもらう。バス券を買おうかというそのとき、
大変なことがわかった!「お金がギリギリだ…」。これまで雨のせいでバス代が
かさんでいたからなあ〜。今日の上高地への往復バス代、宿代、そして明日、
もし高山までの帰りにバスを使うとなると〜、ホントにギリギリっす!
とりあえず、せっかくなので上高地へは行こうと決めた。
昼食は、宿の朝食でまだお腹も満たされているから、ほんの軽食で大丈夫か〜。

なにはともあれ、バスで上高地へ!安房トンネルを抜けて、中の湯バス停の
分岐点で左折、「釜トンネル」へ。ここがまた、めっちゃ狭い!暗い!危ない!
バスだからまったく問題ないけれど、当初の予定では、初日に上高地に行って、
そこから中の湯温泉旅館まで自転車で行くつもりだったわけで、これ見たら、
本当にやめておいてよかったと思う。そういえば中の湯温泉旅館に電話予約したとき、
「釜トンネルは自転車はやめたほうがいいですよ」って、いってたなあ。

上高地への道は大渋滞。道は狭いのに、観光バスでいっぱい。
マイカー規制はされているものの、観光バスがとにかく多い。終点少し手前で下車。
大正池から河童橋まで、「自然研究路」散策コースを歩いてゆく。

でもさすがに上高地は自然がいっぱい、大正池をはじめ、景色がいい!
梓川もさることながら、支流のたぶん名もない小川なども澄み切っていて、
芥川竜之介の名作『河童』のように「qua」っと河童が出そうな雰囲気。
そして雄大な山々!山がデカイ!

tabi119.jpg tabi120.jpg
梓川と山々の景色。             本当に河童が出てきそうな。

でもね、人が多いですね〜。野生のカモが、人がお菓子とかあげるもんだから、
慣れまくっていて。小さめのカモなんか、指で何か持ってるようにして差し出すと、
騙され指をくわえてきた。ダメだよ慣れ過ぎだってば〜。特に河童橋周辺は店も多く、
バスの駐車場も近くて、とにかく人が多い!これじゃ河童も出ないよ〜。
うむ、人がいないと最高ですな、上高地。閉鎖期間に徒歩で来たらいいかも。

売店でパンを1つだけ買って、河童橋から梓川を少し上流に行ったところ、
人が少ないキャンプポイント近くで、川を目の前にして少しだけ腹ごしらえ。
山々を眺めながら、しばしのんびり。雲が、山に影を落とし、右から左へと音
もなく移動してゆく。は〜、いいなぁ〜。川の瀬音だけがあたりに響き流れ、
テントを張って泊まる人なのか、川べりには読書にふける人。いいなぁ〜。

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雄大な山と青い空。

このあたりはまだ紅葉は見られなかったけれど、風は少し冷たい。
河童橋から明神池まで散策しようかとも思っていたけれど、
早めに宿に入ってのんびりしたいな〜とも思い、上高地をあとにした。

バスでまたまた、平湯のターミナルへ。自転車を回収、お金もないし、
宿でのんびり過ごすんだー!今日は、福地温泉にある有名な『湯元長座』に泊まる!!
そりゃあ、宿でのんびり過ごしたくなるというものよ〜。もちろんここは“秘湯の宿”!
でも、料金的にちょとお高いココに泊まってしまうからこそ、
お金がギリギリだということもいえます(笑)!

自転車で新平湯方面へ、国道471号線へ合流。今度は今朝平湯に来たときとは逆に、
下り道となるのでスイスイ進む。クマ牧場のあたりで福地温泉方面へと左折。
福地温泉は谷に位置している感じなので、下り坂ギューン!あっという間に、
午後4時前には、この旅最後の宿となる『湯元長座』に到着ー。

ここはもう、門構えから外観、中身も建築が素敵すぎます!“秘湯の宿”に多い
“豪農移築系”とでもいいましょうか。囲炉裏端もホンモノで煙たいけれど、いいんです!
とにかく、こういった和風の宿が好きな人には最高のところ!

時間も余裕があるので外に出て、近くの『舎湯(やどりゆ)』という、
宿泊の人のみ使える休憩所をのぞく。そこも昔ながらの造りで、
どこかの武家屋敷風建物の移築らしい。中には囲炉裏のある広間や足湯もあって、
やっぱり素敵だ〜。お茶を飲んでゆっくりくつろぐ。足湯にも浸かった。
福地温泉は、こういった雰囲気づくりを大切にしているように感じた。
朝市もあるみたいだし、いいっすねぇ〜。

宿に戻ったなら温泉三昧。露天風呂も貸し切り風呂もたくさんあるので、
温泉入り浸りだ〜。そして囲炉裏の間に敷かれた動物の毛皮にも興味津々。
風呂上がりなのにスグ煙たくなって燻製に(笑)。

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囲炉裏の間にまたもや、童じゃ、座敷童がおる。

あっという間に日は暮れて、昼はパンだけだったから…待ちに待った夕食の時間!
囲炉裏端での食事は、おいしゅうございました〜。やっぱり高いだけあって、
ワンランク違うな〜という感じ。主人の語りも味があり。

は〜極楽極楽。食後にはまた温泉に入りにいく。今度は「のくとまり手形」を使って
福地温泉内の別の宿にもらい湯。こういうのって、いいっすねぇ〜。
向かいの『元湯孫九郎』で、湯元長座とは源泉の違う(匂いが違う!)温泉を満喫。
ということで、大満足で、至福の時間は過ぎゆくのでした〜。


8日(金)。あーあ、今日でこの旅も終わり。朝風呂入って、豪華な朝食もいただいて、
身支度整えて午前10時チェックアウト。秘湯の宿のスタンプもまた1つ増えて、
これでこの旅3つ目、合計4つに。やっぱりいいところだったなあここは〜。
ただ天気はまたもや雨。ぱらついていて、入口の門のところで少し様子を見たけれど、
状況は変わりそうにない。バス停は宿のすぐ目の前にあるけれど、待ち時間もあるし、
何よりもうお金がない!それにこれくらいの雨なら、平湯までは自転車でも行けそう。

キツ過ぎる坂道を登って登って、平湯バスターミナルに到着〜。
このまま自転車で、高山まで行きたいという思いもあったけれど、
今日のこれからの天候のことと、平湯トンネルのことを考えると、
バスで帰るという選択に。お金はこれでもうぜんぜんありませーん(笑)!
クレジットカードは持っていたのですが、やっぱり田舎だからなのか
どこもカード払いができず。それも痛かった。

バスなら高山までは2時間ほど。途中、雨が本格的に降り始めて、バスでよかった〜。
高山に着いてからは、時間もあったので軽く高山観光。雨も降っているので、
自転車はバスターミナル付近の鉄柵にワイヤーロックでつなげておいた。

Kさんが銀行でお金をおろして、ランチにもありついた。
高山は何回か来たことがあるので目新しいところは特にないけれど、雨の中を歩き回る。
一応おみやげを購入。そして夕方には、普通列車に乗って、帰路に着いたのでした〜。

今回は雨が降ってしまって、雨が降ると自転車はちょっと邪魔になります。
雨でも自転車で行っちゃえばいいという意見もあるでしょうが、
雨具があると荷物が多くなるし、濡れれば自転車にもよくないし、
何より雨天走行はツライっすからねぇ。

あとは、雨で自転車に乗れなかったのもあるけれど、距離設定もやや甘めだったので、
なんとなく、不完全燃焼でした。もう少しがんばる距離にしたほうが、
達成感があっていいと思う。とはいっても、今回の坂道は山あり谷ありでキツかった。

そんななか、登山!新たな発見、登山はいい。個人的には、頂上をめざす登山よりも、
「山越えて温泉地へ」とか、「山越えたら近道」とか、山を、自然の中を歩いてゆく
トレッキング?“山歩き”に近い感覚?目的もさることながら、行程を楽しむ方向で
やっていきたいなあと、思った。これ、スロー旅っぽいですね。
頂上に行くのなんてついでのことよ〜。見た目も、登山というといかにもな格好に
なりがちですが、タウンユースのものもうまく取り入れてスタイリッシュに!
“オシャレ登山”の提唱〜。山をナメてます(笑)!!

ということで、奥飛騨温泉郷、各温泉地の距離を考えると、
そして山に思いをはせちゃいますと、自転車よりも歩き旅に向いているかもしれない!
またいつか、奥飛騨温泉郷スロー旅を決行するんなら、それでやりたいと思います!








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